ティーショット編:狙い所に線を合わせると自分の向きの確認にもなる
アライメントボールといえば、グリーン上でターゲットを狙いやすくなるイメージだが「ティーショットでも効果大です」と伊丹プロ。
「たとえば、アマチュアゴルファーで多いのが、無意識に右や左を向いてしまっているケース。練習なら、アライメントスティックなどでチェックする方もいらっしゃるでしょうが、ラウンドの際はさすがにできない。そんなとき、スティックの代わりになるのがボールに入った線です。ティーショットの際、まず、狙い所を決めて、線をそこに向けてセットします。その後、構えたとき、違和感を覚えたら、それは多分、自分の向きがおかしいんです」
ラウンド中、ボールでアライメントが確認できるのは助かる。ただ、そのためにはボールのセットを完璧にする必要があり、特に3本線タイプは最も微調整が利く分、慣れるまで時間がかかるかも。それでも「ティーショットもなるべく機械的、メカニカルに打ちたいという人にはいいでしょう」。
100を切れないレベルのゴルファーなら「アドレスの狂いを直せるので、一気に100切りの可能性もあると思います」。
ティーショットのアライメントボールの合わせ方
狙い所に真ん中の赤い線を合わせる。3種類のボールのなかで最もピンポイントに狙いを合わせられる。線は地面に対して垂直が基本だが、アドレスしたときの目線に正対するよう、手前に傾けてもOK。
線が太いので、ピンポイントに狙うというよりは「あのあたりに置きたい」と、ざっくりイメージができる。ティーショットの際、置き方も含め3本線のものよりも神経質にならずにすむ。3本線と同様、アドレスしたときの目線に正対するよう、手前に傾けてもOK。
サッカーボール柄のような柄入りボールは、転がるボールの残像がラインになるので、とくにグリーン上で力を発揮する。柄の向きをさほど気にしなくていいのでセットがラクだ。
パッティング編:極太線は視覚効果でタッチが強くなることも……
次に、グリーン上でのアライメントボールの効能や使い方について。
ティーショットと同じく、狙い所に向けて線を合わせるが、フックラインやスライスラインなどにより、微妙に線の調整ができる。ボールをきちんとセットし、構えて違和感があれば、フェースの向きに狂いがある可能性も。また
「パッティングの際に起こりやすいのは、無意識にボールの近くに立ったり、逆に遠くに立ってしまったりすること。そんな際、地面と垂直にセットした線がやけに手前に傾いて見えるようだったら、自分が近づきすぎているということですし、奥に傾いて見えるようなら、自分がボールから離れて立っているということになります」
個別に見ていくと、3本線は真ん中の赤いラインを芯で打ち抜く感覚はわかりやすく、方向性も出しやすい。一方で「線の細さの影響でしょうか、タッチが弱くなりやすい気もします。繊細とも、言い換えられますが」
次に極太線。
「これはさっきと逆の視覚効果でしょうが、線が太いと強めに打てる感じがします。今回使用しているのは線が水色ですが、これが濃い色だと、もっと強くなりそう。上りのパットで頼りになりそうですね」
最後にサッカーボール。パッと見は線ではなく「柄」なので、セットするのが難しそうだが、目安は「Taylor Made」のロゴ。ただ
「さほど神経質にならなくてもいいと思います。方向性より距離感の出しやすさを重視したモデルですから」
実際に打つと、柄の残像によって線のように見え、ボールの転がりがわかる。いい転がり、いい距離感を求める人は試してみて。
最後に、アライメントボールは便利だが、もちろんグリーン上以外での2打目、3打目などではボールを拾って線を合わせることなどできない。
「狙い所にぴったり線が向いているなんてケースはほぼありません。違和感があるでしょうが、ボールを見すぎないようにしてください」。
こんなときは頭の中から線のイメージを消して。
「ボール選びの基準といえば、飛距離、打感、スピンでしたが、今後はアライメントのような“デザイン”も要素になるかもしれませんね」。
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/中山CC
※週刊ゴルフダイジェスト2024年1月30日号「アライメントボールの選び方・使い方」より