●40年分のスコアカードをずっと保存していました
40年分のスコアカードを、引っ越しを機に断捨離。ダンボールいっぱいのカードを捨てました。スコアカードをどうしているか仲間に聞いてみたところ、4タイプに分かれていました。
①プレー終了したら迷いなく捨てる
②スコアだけ手帳にメモしてカードは捨てる
③スコアが良かった時だけハンディ査定用に申告してカードも保存
④スコアカードをスキャンして画像データにし、現物共に保存。さらにスコアはエクセルで管理。
ただ、④の人がゴルフがうまいかというと、それは話が別のようです。(70代男性、岩手県)
●歴史的コースのものだけ保存
プロになる前はラウンド数が少なかったので保存していましたが、プロになってからは節目や記念になるような歴史的コースのものだけ保存してアルバムに貼ってあります。日本最古の神戸GC、雲仙ゴルフ場、那須GC、宮城県の仙塩GC浦霞、大阪GC淡輪など。渋いでしょう。東京GC、廣野GCなどももちろん素晴らしいコースですが、私の場合、堂々としていて立派な所より、隠れた宝石みたいなコースが好きなもので……。(タケ小山、テレビ解説者・プロゴルファー)
●スコアカードは帰宅して捨てる
スコアカードをコースのごみ箱に捨てるのは抵抗があるので、帰宅してから捨てます。コンペの順位表に至っては破ってから捨てています(笑)。(40代男性、東京都)
●スコア管理アプリで保管
最近はカートナビにスコアが入力できることも多いので、紙のスコアカードに記入する機会自体が減っています。ただ、競技の場合はスコアカードを提出するのでもちろん記入。ミシン目で自分のスコアの部分を切り取って持ち帰り、スコア管理アプリに入れたら紙は捨てます。ラウンド数が多いので、全部取っておいたらスペースがいくらあっても足りません。(50代男性、東京都)
●日本では自己記録を更新したスコアカードしか取っていません
しかし、スコットランドのリンクス、米国、豪州の歴史的名門クラブは500コース以上訪れていますが、そこのスコアカードとホールの攻略ガイドはすべて取っています。自分のスコアを記録するためでなく、ホールを記憶するためです。全英オープンや全米オープンをやるようなコースは、お土産用にホールガイドブックが置いてあって、それを見ればこのホールはどう攻めたかなどがわかるのですが、無名の町の外れにあるようなリンクスはスコアカードしかないのでカードを持って帰るのは必須です。
日本ではカードに記録する鉛筆はたいていプラスチック製ですが、英米ではコースの名前入りの短い鉛筆を使っているところが多いんです。その鉛筆を一緒にもらってきます。スコアカードは600~700枚ほど保存していますが、最近は年のせいか、スコアカードを見ても記憶がだいぶ怪しくなってきました。(武居振一、リンクス愛好家・JGAゴルフミュージアム参与)
●亡くなった仲間の名前を思い出すことも
あまりこだわりがないので、基本的に捨てているのですが、ときどきボストンバッグのポケットなどから古いカードが出てくることがあります。すると、もう亡くなった仲間の名前が書かれていることがあるんです。そのときのラウンドの記憶がよみがえってきてジーンとします。そのカードが出てこなかったらその人のことは思い出さなかったかもしれないですよね。(70代男性、鹿児島県)
●データは保存し、見返したりする
基本的にカードは捨てていましたが、所属するクラブのカートにスコア記録システムが付きました。同伴競技者である仲間が入力してくれて、マスター室でプリントされるようになったので、そのデータは保存し、見返したりはします。得意、苦手ホールを洗い出すくらいはできますが、それはなぜなのか分析するようにはなっていません。(70代男性、東京都)
●集めようとして集めたのではなく、集まったという感じ
スコアカードと鉛筆が300コース分くらいあります。ほとんどが米国の古いコースで、次にイギリス、それにオーストラリア、フランス、香港などです。自分のスコア整理? 普段スコアさえつけないので、そんなことはしませんよ。米国の伝統的コースのスコアカード、鉛筆は古色蒼然としていて目に和むんですよ。日本のコースのスコアカードにはプラスチックのペンシルがつくのがほとんどですよね。
米国でも便利だと何コースかにティーと一緒に採用されたことはあるんですが、今は木製に戻っているようです。私が知ってるコースでも、プラスチックになった際、それは土に戻らないんだからやめたほうがいいと助言したこともあります。最近は、紙と木の昔に戻りつつあります。何でも新しいもの、便利なものがいいと私は思いません。(川田太三、ゴルフコース設計家)
●紙のカードに書いて帰宅してからスコア入力
最近は、スコア管理アプリを使っている人が多く、ホールごとにスマホに入力をしている人を見ると、「ああ几帳面だな」くらいにしか思いませんが、以前は「あの人、スマホをいじってばかり」と思うこともありました。私は紙のカードに書いて帰宅してから入力。その後、スコアカードは捨てます。(40代女性、兵庫県)
●スコアカードの枚数も試合数だけ集まった
スコアカードについてはこんな思い出があります。僕は大分県の城島高原GCに所属し、トーナメントに出場し始めたのが21歳の頃。そのデビュー時から僕に張り付き、スコアカードに書きつけてデータ分析してくれたのが所属先の社長でした。カードには4人分のスコアを書く欄があるでしょう。そこに僕の4日間のスコア、パット数、OBのミスなど細かく書いて、社に戻ったら分析するんです。社長はHC2でクラチャン経験もあり、ゴルフを知り尽くしていて説得力がありました。その僕のスコアデータを分析するのが出張精算での義務といってましたから、こちらも真剣でした(笑)。
その頃はデータ分析などをやっているプロはほとんどいませんでした。それらのデータ分析から割り出した足りないものをオフトレで矯正するのです。これをデビューした1974年からマスターズに出場した1981年まで毎年やってくれていましたから、スコアカードの枚数も試合数だけ集まったということになります。(鈴木規夫、プロゴルファー)
※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月6日号「山を動かす~捨てる? 保存? 過去のスコアカード、どうしてる?」より