脱炭素社会実現の一助になる、画期的ソーラカーポートを設置しようとしているゴルフ場がある。横浜市にある磯子CCがそれだ。
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画期的ソーラカーポートを設置しようとしている磯子CC

ソーラーカーポートを24年3月から稼働予定

磯子CCの駐車場に蓄電池と電気自動車(EV)充電スタンドを併設したソーラカーポート(駐車場型太陽光発電設備)が24年3月に稼働する予定。

蓄電池とEV充電スタンドが一体となったソーラカーポートの導入は先進的で、グリーン電源とEVインフラの普及・拡大に大きく寄与する、社会的価値の高い取り組みといえる。

このポート設置のことをもう少し詳述すると、同CC駐車場の104台分の駐車スペースに、太陽光パネルの出力で306.8kWの太陽光発電設備を搭載したカーポートと、容量193.5kWhの蓄電池を併設し、EV普通充電スタンド3台、EV急速充電スタンド1台を設置。

想定発電量は年間34万2234kWh、年間CO2排出削減量は約108.3トンの見込み。

同設備による電力自給率は53.4パーセントと試算し、蓄電池を併設しない場合と比較して、6.4パーセント電力自給率を高められる。

なお、発電した電力はEV充電スタンドでの活用に加え、クラブハウスでも自家消費するとのこと。

また余剰電力を蓄電池に貯めることで、天候により発電量が低くなるときや、夜間利用、災害時の予備電源とすることで、BCP(事業継続計画)対策にも寄与できるとしている。

同ポート設置に踏み切った動機を同CC支配人、稲田均氏は次のように話す。

「エネルギー高騰の影響を受けずに安定した電源が見込めるというのは、クラブ運営上大きいと思います。また増加の見込まれるEV車の利便性を図れますし、それに車の日よけや雨よけといった効用もありますしね。しかし何といっても一番に思うことは、昨今の気候変動や気温上昇に対して強い関心を持たざるを得ないということです。小さいながらも脱炭素社会実現の一助に寄与できればと思っています」

ちなみにこの事業は環境省の令和4年度「二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金」、経産省の「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」の採択を受け、グリーン電力事業のafter FIT、総合商社の双日、ミライト・ワンが調達・設計・施工を行う。

同CCは神奈川県が指定した災害避難地区にもなっていて、緊急時には同ポートでの余剰電力を地域住民に提供もできるとしている。

都市近郊のゴルフ場には地域貢献の需要がますます高まっていくのではないだろうか。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月6日号「バック9」より

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