大事なのは”つなぎ目”をどこにするか
みんゴル取材班(以下、み):先日ピンの新作発表会に行ったとき、「ブループリント」の「S」と「T」、さらに「i230」とのコンボもあり、という話を聞きました。タイトリストのTシリーズもコンボはありといっていますし、実際に米ツアーの選手もけっこうやっています。HS40m/sのアベレージゴルファーにもコンボの効果はありますか?
宮城:大いにあります。ぼくの作ったプロトコンセプトのアイアンもコンボしやすいように設計しています。それに、そもそもロング番手だけ中空だったり、フェースの素材を変えたり、同じセット内でコンボのように作られたアイアンも増えています。
み:宮城さんはコンボ推奨ということですね。では、コンボを組むときに注意すべきポイントがあれば教えてください。
宮城:大事なのはつなぎ目をどこにするかです。基本的にはロングアイアンの4番か5番までやさしい中空やポケットキャビティにして、6番以下は同じヘッドで揃えることをおすすめします。
み:女子プロはショートアイアンの中でコンボしている選手もいますが。青木瀬令奈のセッティングはアイアンが8番からしか入っていなくて、8番がスリクソンの「ZX5MkII」で、9番とPWが「ZX7MkII」です。
宮城:一般のアマチュアならせいぜい6番まででしょう。その理由のひとつめは番手間の飛距離の差が大きくなりすぎることです。選ぶモデルにもよりますが、5番と6番の間はそれほど問題にならなくても、7番と8番の間が15ヤードとか20ヤードも開くとどうなりますか?
み:下手なりに7番くらいまではグリーンをねらっていきたいから、あんまり開くと難しい状況が出てきそうですね。逆に5番や6番だと毎回乗せようと考えないので大丈夫かと思います。
宮城:場合によっては同じ番手をかぶらせるのも手ですね。もうひとつの理由はかまえたときのイメージです。同じメーカーでコンボしてもツアーキャビティ、ポケットキャビティ、中空では顔がかなり変わってきます。6番までは許せても7番がいきなり厚いと違和感しかありません。
み:確かにそうかもしれません。
宮城:アイアンコンボでもうひとつ注意が必要なのは、気付かないうちに下の番手が打てなくなることです。たとえば5番までやさしいモデルにするとそのうち6番が難しくなります。
み:なぜですか。
宮城:やさしいアイアンは打点のミスをカバーしてくれるからです。それに慣れると打ち方がだんだん雑になってきます。
み:そのうち7番や8番も打てなくなりそうですね。
宮城:コンボしても難しいほうの5番をとっておいて時々練習するといいですよ。もちろん、最初から全部やさしいアイアンに替えてしまうのもありですが。