トータルヘッド慣性モーメント1万超えの「G430 MAX 10K」を試打
今回試打する『G430 MAX 10K』のネームに刻まれた10Kは、慣性モーメントが1万g・㎠超えを表したもので、460ccの複合素材ヘッドはピンのドライバー史上で最も慣性モーメントが大きく、最も寛容性が高い、“真っ直ぐ飛ぶ”ドライバーという触れ込みだ。
試打担当の癸生川プロが打感やインプレッションをコメントし、データ分析担当の小島プロが試打結果から得られた数値や弾道などから、性能や特徴に鋭く切り込んでいく。PGAトーナメントプレーヤーの資格を持つ2人による試打はまさに“ガチ”。また小島プロはTPIレベル3やトラックマンマスター等の資格を有し、各種の分析能力はプロゴルファー随一と評判。
「トラックマン4」と「GCクワッド」の2台を使うという徹底計測態勢を組み、弾道を実測で追える本コース(今回はアコーディア・ゴルフ 技術研究所)で計測。さらに、『打感』という機械で計測が難しい部分のデータを得るためにコース本球を(タイトリスト・プロV1)を使用するという、実際のラウンドに近い形で臨む“ガチ”の試打だ。
●試打クラブのスペック
ヘッド/G430 MAX 10K(ロフト10.5度)
シャフト/PING TOUR 2.0 CHROHM 65(フレックスS)
「変なスピンが掛からず曲がらない」(癸生川プロ)
まず、癸生川プロの見た目の印象から。
「普段使っているG430 LSTと比べると一回り大きく感じます。ロフトがあるので若干左を向いて見えるのもあってか、球がつかまりそうな感じがします。僕自身は開いた顔が個好きなので、その辺が試打でどういう結果につながるかですね」。
最初は癸生川プロの普段通りのヘッドスピード(46~48m/s)で打つ。
結果は、1打目から3打目までは、ストレート系のややつかまった同じような弾道で、打点は全てトウ寄りに当たっている。癸生川プロの打感とインプレッションは「つかまる。多分、フェースが左を向いて当たっていると思うんだけど、当たったフェースの向きに真っすぐ飛んで行った感じ。つかまるけど、変なスピンが掛からず曲がらないという印象ですね。」という感じ。
最も芯を外したのは2打目だが、そのときのGCクワッドのデータは以下の通り。
クラブスピード(ヘッドスピード)/47m/s
トータル/247ヤード
打点/10ミリ下&13ミリトウ
打ち出し角/14.6度
スピン量/3714rpm
この2打目の弾道とデータを見た小島プロは、「10ミリ下に当たっているので、打ち出し角が14.6度、スピン量は3714rpmと多いんだけど、それでも癸生川プロが言うように確かに球が上がる印象ですよね。注目したいのは、トウ側に13ミリもズレて当たっているのに、風がない状態(GCクワッドのデータ)で目標から5ヤード右、風がある状態(トラックマンデータ)でも9.8ヤード左ですから、曲がり幅としては少ないですよね」という評価だ。
ここまでトウ側でのヒットが続いたので、「ヒール側で打ってみて」との小島プロからのリクエスト。しかし、癸生川プロはなぜかヒール寄りでヒットせず。
これに小島プロが一言、「癸生川プロがこれだけヒールに打とうとして構えても、まったく当たらないということは、確実にヒールに当たりづらいクラブということになります。クラブのコンセプトかは分からないけど、ヒールに当たるとスピードも距離もマイナスになるので、このヒールに当たりづらいということはいいことだと思う」という意見を出してきた。
おそらく、プロのヘッドスピードだとシャフトが遠心力に負けてヘッドがトウダウンを起こし、ヒールに当たりづらくなっていることも考えて、42m/sくらいで振ってみることに。
すると、ヒールでヒット。データを見た小島プロが驚いた。
「今は17ミリヒールです。ゴルフクラブで一番飛ばない所に当たっているんだけど、打球は少し左に出てからギア効果で戻ってきて、目標に対して5.2ヤード右に着弾している。つまり、ほぼ真ん中です。これは凄いことだと思いますよ」。
本編のみんなのゴルフダイジェストのYouTube「みんゴルガチギアトラック」では、小島プロが“ガチで凄い”と思った『G430 MAX 10K』の性能評価と癸生川プロの、こんな人のにお勧めコメントなどを見ることができるので、ぜひ!
試打を
動画で
確認!
PHOTO/Tomoya Nomura
THANKS/アコーディア・ゴルフ 技術研究所
※2024年2月2日22時30分、一部加筆修正しました