メキシコ(マヤコバ招待)で3シーズン目をスタートさせたLIVゴルフは今週ラスベガスで今季2戦目を開催している。開幕前のインタビューでラームが語ったのはメンバー資格を剥奪されたPGAツアーへの未練ともとれるセリフ。
「自分は家にいて試合にも出ず、(PGAツアーで)皆が戦っている様子を見るのは思っていたよりもずっと大変だった」
ツアー通算11勝の彼が初優勝を飾ったファーマーズ・インシュランス・オープン(ウェストコーストスウィング第2戦)は愛してやまないサンディエゴのトリーパインズGCが舞台。
初優勝だけでなく21年に自身初のメジャータイトル全米オープンを制覇したのもトリーパインズで、海沿いの美しいコースが好きすぎて妻ケルリーさんにひざまずいてプロポーズしたのも太平洋を眼下に望むコースの丘の上だった。
「僕にとってトリー(パインズ)がどれほど重要かは何度も説明してきました。言葉ではいい尽くせないほど思い入れがあります」
アリゾナ州立大学時代から住んでいるスコッツデールで現在PGAツアー最大のギャラリーを集客するウェストコーストスウィング第4戦WMフェニックスオープンがおこなわれている。
大会前、会場の近くを車で通るたびラームは「今年はプレーする機会がないので間違いなく感傷的になりました。近い将来またあのような(熱狂的な)イベントに参加できることを祈っています」と語った。
昨年はウェストコーストスウィングのジ・アメリカン・エキスプレスとジェネシス招待で優勝。本来なら連覇に挑むはずだったが自らの選択でLIVに移籍したことで連覇の道は閉ざされた。
それでもラームは「(再びPGAツアーでプレーするという)希望がある」。離れてみて改めて長年続くツアーのレガシーとその重みを痛感したようだ。
現在世界ランク3位のラームは連覇がかかるマスターズ他、メジャー大会への出場の可能性を模索しており、そこでポイントを稼ぎゆくゆくはDPワールドツアーの最終戦(ツアーチャンピオンシップ)への出場を目指している。
700億円の契約金を手にしたとき、まさかウェストコーストスウィングの代名詞“カリフォルニアの青い空”が見られないことが心を引き裂かれるほど辛いとは思っていなかっただろう。だが自分がその舞台に立てないことが事実となったいま改めて恋しさが募る。これが大金の代わりに彼が払った代償か!?