9度や10.5度などが、ドライバーのロフトのラインナップでは一般的。ところが最近12度がラインナップされるものが増えてきた。その理由をギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人に聞いてみた。
画像: 最新モデルを試打するときは、ロフト大きめのモデルを試したい(写真はイメージ)

最新モデルを試打するときは、ロフト大きめのモデルを試したい(写真はイメージ)

イメージより高く打ち出したほうが飛距離が稼げる

クラブフィッター小倉です。今回はドライバーのロフト角についてです。2024年に発表・発売されたドライバーの多くに、ロフト12度がラインアップされています。ひと昔前から12度の設定はあったのですが、近年になってかなり増えてきました。

ロフト12度なんて、ボールが上がらない、パワーのない人向けでしょ? と感じるゴルファーも多いと思いますが、昨今のドライバーの性能は、一般のアマチュアにとって12度ぐらいのロフトのほうが飛ばせる可能性は高くなっています。メーカーもそれをわかっているので、ラインアップしているのだと思います。

昨今のドライバーは、余計なスピンが入りづらい「低スピン性能」に優れたモデルばかりです。さらに今年は、慣性モーメント値がヘッドの上下左右方向の合計で1万を超えるモデルが複数出てきています。慣性モーメント値が高いと、芯を外してもスピン量の増減が小さくなります。これらの性能は、いかに適正な高さで打ち出すかが、飛距離につなげるカギになります。

私は、フィッティングしながら多数のお客様と接していますが、多くの方が、ドライバーの最も飛ぶ弾道を実際の理想の高さよりも低く認識しています。確かにライナー性の中弾道のほうがランも期待できそうだし、距離が稼げそうな気はするのですが、現代のドライバーは低スピンで、芯を外しても余計なスピンが入りづらくなってきているため、イメージより高く打ち出したほうが、キャリーが稼げて、ランも期待できます。

加えてボールの進化も著しいです。特にドライバーなどヘッドスピードが速く出るクラブは、余計なスピンが入りづらくなっています。低スピンの弾道がオートマチックに打てるようになってきている現代だからこそ、上がりすぎだなぁと感じる高さぐらいのほうが飛距離につながりやすいのです。

ひと昔前のクラブの常識は、本当に通用しなくなってきています。表記ロフトと実際のロフトの値が違うなんて時代がありました。10.5度と記載されているドライバーのロフトを測ると、実際は12度近くあったなんてことも普通にありましたね。今では、ほとんどのモデルが、表記通りです。

ドライバーに限らず、現代のゴルフクラブは、過去の常識のとらわれているとその性能を十分に発揮できない可能性があります。最新のモデルを試打する機会がありましたら、ぜひ、ロフト角大きめのモデルを試してみてくださいね!

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