地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房の「飛ぶスペック」を週イチで紹介! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

こだわりの強いゴルファーにオススメのヘッド

連載第2回目は、ゴルフ処の茨城県水戸市に店を構えてから今月で27年の「DO GOLF」の社長・小野仁志さんオススメの1本。

画像: 飛ぶスペックを教えてくれたDO GOLFの社長・小野仁志さん。パターフィッティングも好評

飛ぶスペックを教えてくれたDO GOLFの社長・小野仁志さん。パターフィッティングも好評

「『DO GOLF』のお客様にはこだわりの強いゴルファーが多く、『飛ぶのはもちろんだけど、仲間内で被らないクラブがいい』という人がほとんど。そういう人にはまずこのゾディア『Z925』のヘッドを試してもらいます。ゾディアは研磨が有名でウェッジやアイアンが人気ですが、社長の宮地啓介さんが手掛けるウッドも飛び性能と構えやすい顔で納得できるモノが多いんです。ヘッド単体ではヘッドスピード帯を問いませんが、40~42m/sくらいのお客様が多いのもあり、ふけ上がることがないのに球がしっかり上がるフジクラ『スピーダーNX グリーン』との組み合わせがマッチすることが多いです。当店は中古ショップでもあるので、新しいドライバーを購入する際は、いま使用しているモデルを手放す人が多いのですが、このゾディア『Z925』は売らずに手元に置くゴルファーがほとんどです」(小野さん)

●ヘッド/ゾディア Z925(9.5度)

部分的に強度を変えたソールと、フェース&クラウンの撓みの相乗効果で、ヘッド全体の撓みを使いボールを弾き出す、打感と操作性が特徴のヘッド。フェースには弾性率が低いので、たわみやすく反発性能が高いβチタンの「DAT55G」、ボディには比重が小さく重心設計の自由度が高いα+βチタンの「6-4チタン」を採用。ソール&クラウンにはカーボン素材を使用しており、そこから生まれた余剰重量で重心位置を最適化している。価格(税込)/オープン価格(実勢6万6000円)

画像: ゾディア『Z925』ドライバー

ゾディア『Z925』ドライバー

シャフト/フジクラ スピーダー NX グリーン(45.5インチ/60-S)

進化した「バリアブル・トルク・コアテクノロジー」により、スピーダー NXよりも手元側のトルクを締めることで、切り返しからスムーズにヘッドが加速。中間部との捻じれ剛性差をつけることにより更なるヘッドスピードアップを実現。ダウンスウィング中のシャフトの逆しなりを抑えることで、一体感のあるスウィングが可能になった。価格(税込)/4万4000円

画像: フジクラ『スピーダー NX グリーン』

フジクラ『スピーダー NX グリーン』

上級者好みの構えやすい顔とオフセンターヒット時の直進性の高さ

ここからは堀越プロの試打結果とインプレッションをお届けしよう。

まず、アドレスしたときの印象を聞くと「フェースアングルがややオープンなので左を嫌がる上級者が構えやすい綺麗な顔です。ヘッド体積はメーカー公表で460ccありますが、投影面積が小さいので、ここでも上級者向けなのかなという印象を受けます。この投影面積の小ささは、ディープフェースかつハイバック形状からきており、試打する前の印象としては低スピンの強弾道が出そうで、ヘッドスピードが45m/s以上の速いゴルファー向けかな」とやや強めで打ちたそうな堀越プロ。とはいえ、シャフトを確認すると『スピーダー NX グリーン(60S)』なので「球を上げてくれるシャフトが差さっているので、まずは42m/sくらいで振ってみます」とのこと。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

画像: ゾディアヘッド×フジクラシャフト。強弾道ヘッドと高弾道シャフトの組み合わせ!【人気ゴルフ工房のぶっ飛びドライバーをキング・オブ・試打が語る】

ドローが持ち球の堀越プロの1球目はほぼど真ん中で、弾道計測器(ラプソードMLM2PRO)でも、真っすぐの弾道。「打感はかなりしっかりめで、球の弾き感が強いですね。その打感・打音の印象からですが、初速もしっかり出ているイメージです。初速はイメージ通りなのですが、驚いたのは出球の高さです。ロフト9.5度で、ディープフェースかつハイバックなヘッドなのに、しっかり上がってくれています。この球の高さは『スピーダーNX グリーン』の特性だと思いますね。この組み合わせは思ったよりもヘッドスピードを必要とせず、またキャリーが出るクラブですね」と好印象。

トウやヒールでも打ってみると、「トウでもヒールでも初速がそこまで落ちていないのは驚きですね。もちろん、トウとりもヒール側のほうが初速は落ちますが、それにしても強い弾道で捩じれが少ない球で飛んでいく。このヘッド形状でここまでオフセンターヒットに強いのはあまりないと思います」という。

ヘッドスピード42m/s前後で5球を打っての平均は下記のとおり。
ボール初速●62.6m/s
打ち出し角●12.5度
スピン量●2691rpm
キャリー●228.6Y
総飛距離●249.5Y

総括

「構えた印象とはかなり裏腹な結果になりました。最近では見かけないほどのディープフェース&ハイバック形状なので、浅重心設計の強弾道かつ低スピンのヘッド。こうなるとハードヒッター向けと言えるのですが、シャフトの特性でしっかり球が上がるので、HS42m/s前後で飛ばせる組み合わせだと思います。また、オフセンターヒットでも初速が落ちにくく、また直進性の高さがあるので、この形状のヘッドにしてはかなりミスに強いモデルと言っていいでしょう。ただHS40m/sくらいまでの人だとやはりハードスペックで、どんなシャフトを挿しても、硬派なヘッドイメージから自分で球を上げようとするスウィングになってしまうので、HS42m/s以上はほしいところ。なので、それくらいのヘッドスピードでいまのクラブだと打ち出し角が高すぎる人にとってはかなり良いスペックですよ」(堀越プロ)

画像: 「最近では見かけない」とキング・オブ・試打の堀越プロを驚かせたハイバック形状ヘッド(左)。また「球を楽に上げてくれるシャフトとの組み合わせは正解です」と堀越プロ(右)

「最近では見かけない」とキング・オブ・試打の堀越プロを驚かせたハイバック形状ヘッド(左)。また「球を楽に上げてくれるシャフトとの組み合わせは正解です」と堀越プロ(右)

DO GOLF

画像: 1997年2月に創業し、28年目を迎えたGO GOLF

1997年2月に創業し、28年目を迎えたGO GOLF

社長の小野さんは県アマでも上位フィニッシュするほどのトップアマ。茨城県内初のSAMパットラボを導入するなど、パッティング診断も好評。
住所/茨城県水戸市元吉田町1776-17
営業時間/10~20時(定休日/火、水曜)
☏029-247-5060

THANKS/クレアゴルフフィールド

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