LIVゴルフとの統合は長い道のりになりそう?
特筆すべきは、およそ200人のPGAツアーメンバーが新しい企業の株主になれるということ。
既存メンバーだけでなく、将来メンバー入りする選手の参加も検討されているが、これらの特権を得るにはキャリアを通しての成績や直近の成績、将来の参加や奉仕などが考慮され、資格を得たプレーヤーが2300億円規模の同団体の資産にアクセスする(株取得)ことが可能になる。
PGAツアーのコミッショナーで同団体のCEOを兼任するジェイ・モナハン氏は、
「ツアーと世界のゴルフファンにとって重要な瞬間。メンバーを新団体のオーナーとすることで選手たちのやりがいを高め、最高のスポーツエンターテインメントを提供する体制を整えることで、ファンにもメリットが大きい」
とし、業界全体がウィン-ウィンの関係になるという。
フェンウェイスポーツグループ率いるSSGは、メジャーリーグベースボールやNBA、NFLなどアメリカの主要スポーツのオーナーの共同体。SSGを運営するジョン・ヘンリー氏は、
「PGAツアー、そしてメンバーと協力しゴルフを世界的に成長させ、強化することを切望する」
と語っており、選手会の代表で方針委員会のメンバーであるパトリック・カントレーは
「PGAツアーエンタープライズとSSGの歴史的パートナーシップを全会一致で支持することができた。新会社の設立によりPGAツアーは確実に強化された」
としている。
PGAツアーは現在、LIVゴルフとの事業統合に向けて交渉中。LIVに資金を提供しているサウジアラビアの政府系基金PIFと交渉するうえで、今回の新会社設立は優位に働くとみられている。
だが分断されたゴルフ界の統合は遠い道のりになりそうだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2月27日&3月5日合併号「バック9」より