渋野日向子、畑岡奈紗、勝みなみ、原英莉花らと同じ"黄金世代"の髙木優奈は昨年6回目の受験でプロテストに合格した。遅れてきた“黄金世代”が今年、新たなスタートを切る! 週刊ゴルフダイジェスト3/5増刊超特大号に掲載されたインタビューと合わせて、"みんゴル"では素顔の一面を紹介する。
画像: 渋野日向子、畑岡奈紗、勝みなみ、原英莉花らと同じ"黄金世代"の髙木優奈。2019年ステップ・アップ・ツアーANA PRINCESS CUPで初優勝。23年に6回目のプロテスト受験で合格を果たし、QT14位で今年前半戦の出場権を獲得。新人戦 加賀電子カップ優勝

渋野日向子、畑岡奈紗、勝みなみ、原英莉花らと同じ"黄金世代"の髙木優奈。2019年ステップ・アップ・ツアーANA PRINCESS CUPで初優勝。23年に6回目のプロテスト受験で合格を果たし、QT14位で今年前半戦の出場権を獲得。新人戦 加賀電子カップ優勝

プロを目指した"理系"の私

――ゴルフを始めたきっかけは。

髙木 父について練習場に行った時に初めてゴルフをやって楽しくて。それで始めたいと言ったのがきっかけです。小学校2年生から5年生まで器械体操をやっていたんですけど、手首を痛めて8月に辞めて、11月からゴルフを始めました。

――アマチュア時代はどんな選手だった?

髙木 これといった実績もないし、周りの印象は、何の戦績もない選手という感じだったと思います。

――学生時代、勉強が好きだったとか。

髙木 出来る出来ないは別として、嫌いじゃなかったです。中学くらいまでは、凄い好きでした。

――それも理科系の勉強が。

髙木 そうです。理系が好きでした。

――大学行こうかなって気持ちにはならなかった。

髙木 なんか、私は大学に行ったらゴルフが下手になるタイプかなと思ったんですよね。それに、絶対プロになれると思っていたので。でも、今、振り返れば、なんであの時にプロでイケると思ったんだろうかって思います。あのゴルフの成績で、よく言ったなって思います。

画像: 「もうゴルフをやめようと思ったことはありました」(高木)

「もうゴルフをやめようと思ったことはありました」(高木)

――昨年、6度目の挑戦でプロテストに合格しましたが、“浪人時代”の気持ちは。

髙木 アマチュア時代から自分が凄い選手と思ったことは一度もないので、一回目落ちたときは、まあ、こんなもんでしょうという感じです。その後も、もうやるしかないって感じでしたね。でも、最初のテストに落ちた後にプロ宣言をして、その後、ちょっと成長できてステップで優勝できたし、1年間レギュラーツアーで戦ったこともあって。その実績があるのにプロテストに受からなかったときは、けっこうキツかったですね。ここまで来ちゃったらしょうがないって感じでしたけど、でも、もうゴルフをやめようと思ったことはありました。

――プロ宣言後に成長できたのは何故。

髙木 データを採ったりするのが凄い好きで、小学生の体操競技のときに痛めた手首とか足首とか、けっこう『怪我持ち』なので、長い時間を掛けて練習をするより、短いなかで効率良く練習をするために、データを見て自分の悪い所を確認して、それを直す練習を効率的にやっていたのがその時期に成長したことにつながったのかなと思います。もちろん、凄く練習をする選手は凄いなって思います。でも私には私の体との向き合い方があるから、なるべくケガをしないように1年間戦えるような練習をして試合に臨んで、上手くなっていきたいなと思ってやっていました。

――でも、ステップで優勝したり、全米女子オープンの決勝ラウンドを経験しているのに、プロテストに受からなかったのは、メンタル的な問題?

髙木 メンタル的なことです。試合では楽しくゴルフができるんですけど、プロテストになったらそれができない。今年は通るでしょうって周りも自分も思っている分、蓋を開けてみたら不合格で、やっぱり大したことないじゃん、と思う自分がいた。試合のほうが楽しいし、プロテストってなんでこんなにつまらないんだろうって思っていたし、もうやりたくない行きたくないという気持ちでテストに臨んでいたので、受かるわけないですよね。

――合格して周囲は喜んでくれましたか。

髙木 ステップでご一緒した斉藤裕子さんとか金田久美子さんとか大先輩の方とか。仲宗根澄香さんとか、菊地絵理香さんも「連絡しようと思ったけど分からなかったから。ホントおめでとうね」って言ってくれて。自慢じゃないですけど、こんな人たちからおめでとうと言って貰えて、凄く嬉しかたったです。

――愛されキャラ?

髙木 愛されているかは分からないですけど。でも本当に皆さんに可愛がっていただいているなとは思います。得だなと思うのは基本的に声が大きいので、ステップの会場とかで「おはようございます!」とか挨拶するからか、けっこう可愛がっていただいています。

黄金世代の仲間たちを「追い抜こうという気持ちはあんまりない」

画像: 「技術的なことを言ったら、まだまだ上手くなれるところがいっぱいあると思うので、楽しみです」(高木)

「技術的なことを言ったら、まだまだ上手くなれるところがいっぱいあると思うので、楽しみです」(高木)

――『黄金世代』の同期の原英莉花さんからエールを貰ったそうですが、仲いいんですか。

髙木 はい昔から、同じ神奈川なので。

――他に、『黄金世代』で仲が良いのは。

髙木 同い年だと山路晶とか田中瑞希。でも皆仲いいです、勝みなみとか小祝さくらとか臼井麗香ちゃんとか、あの辺もみんな仲がいいです。

――これで『黄金世代』の同期と同じステージに立てたので、今後は追い抜こうという気持ちは。

髙木 そういう気持ちは、あんまりないですね。ここまでマイペースにやってきたけど、基本的に全部自分で決めたことですし。それで今までプロテストの成績が出ていないって言われたら出ていないのかもしれないですけど、でも毎年成長していると自分では思っているので。そこに対しては凄く自信があるし、今後も自分のことを信じてやっていって優勝できたらいいとは思います。誰に追い付きたいとか、誰より勝ちたいとか、そういうのは全然、ないです。

――ゴルフの魅力って何ですか。

髙木 う~ん、ラッキーもあるじゃないですか、ゴルフって。それも面白いと思う反面、上手くいかないことも面白いなって思います。毎回、130ヤードをピッタリ打てないし、いつになったらロボットになれるんだろうと思う。けれどもきっとロボットでも風とかの影響があって130ヤードをいつもピッタリ打てるとは限らないということを考えたら、それが面白い。

――上手くいかないとみんなイライラしたりするけれど。

髙木 もちろん上手くいってスコアが良いときは楽しいですし、それが一番いいんですけど。上手くいかなくても、もっとうまくなれると思っている“今”が一番楽しいです。もっとやれると思うから。まだダメなところだらけだから。それを潰していきたい。

――前向きだね。

髙木 前向きだと思います。技術的なことを言ったら、まだまだ上手くなれるところがいっぱいあると思うので、楽しみです。

髙木優奈のインタビューはまだまだ続きます。その内容は週刊ゴルフダイジェスト3/5増刊超大号かMyゴルフダイジェストに掲載中!

PHOTO/Tsukasa Kobayashi
TEXT/Masaaki Furuya

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