松山はジェネシス招待でのツアー9勝目を「ショートゲームで勝ったのははじめて」といった。ショットメーカーと呼ばれ続けた彼が認めた通り大会を通したSGパッティング(パットの貢献度)はプラス4.298で全体の3位。グリーンを外した際のパーセーブ率(スクランブリング)は83.33パーセントで堂々の1位だった。
それに対し松山に9打差の10位タイに甘んじたシェフラーはSGティー・トゥ・グリーンのスタッツが2位、グリーンを狙うショットの精度は全体の1位。しかしSGパッティングは予選を通過した選手中最下位。ショットがいいだけにパットが決まらずイライラを募らせた。
この状況について「シェフラーに対してどんなアドバイスを送るか」を尋ねられたマキロイはこう切り出した。
「僕も同じように何年にも渡ってパッティングの悩みを抱えてきました。でもようやくそれを克服し最近はパッティングが安定したのを実感しています」
2010年の中頃、マキロイはメジャーを立て続けに獲り世界ナンバー1に上り詰めたが当時もショットメーカーとして鳴らしながらパッティングのスタッツはツアー全体のトップ100圏外だった。
「長い間トラディショナルなブレードパターにこだわってきましたが、マレットに替えたことが大きな転換点になりました」
「ブレードパターを使った場合ライン通りにボールをスタートさせるためには完璧なストロークが必要です。その点マレットはミスヒットに対して少し寛容。スコッティ(シェフラー)がマレットを試す姿を是非見てみたいですね」
「スピードコントロールの問題があり、オフセンターヒットが出やすい場合は慣性モーメントが高いマレットがお勧め」という専門家の声もある。
シェフラーがマレットを試す姿も目撃されているがエースは依然として古典的なPing Answer 2をモデルにした『オルソン(Olson Putter Co)』のブレードパター。
マキロイはいう。「自己中なことをいわせてもらえばスコッティはパッティング以外は素晴らしいのでこれでパットまで完璧になった我々に勝ち目はない。今はパッティングがこうだから僕らにもチャンスがあるんです(笑)」
一理ある。