遂にアイアンにもAiテクノロジー
「パラダイム」シリーズ2代目となる「パラダイム Ai スモーク アイアン」。最大のトピックは、アイアンに初めてAiフェースが搭載されたこと。スーパーコンピューターに25万のスイングデータをインプット。飛距離アップ、スピンの最適化、弾道のバラつきの抑制を条件に、5万回のテストを経てAIが生み出した最新フェースだ。

アイアンに初めてAiフェースを搭載した中空アイアン「パラダイム Ai スモーク アイアン」(PHOTO/ Tomoya Nomura)
Aiフェースの打点ミスに対する寛容性の高さは、すでに多くのゴルファーが知るところだが、その特長はアイアンでも同じ。トウやヒールに打点を外しても初速の落ち込みが少なく、曲がり幅も小さい。打感も芯に当たったときとさほど変わらないという。
実際、今回試打を担当した細川和也プロも「ヒール気味に当たったけど、曲がってないですね。距離もほとんど落ちていません」と驚きの様子。Aiフェースの実力を実感したところで、今回はモデル選びにフォーカス。

パラダイム Ai スモーク アイアンのラインアップは3モデル(PHOTO/ Tomoya Nomura)
「レギュラーモデル」と「HL」どちらがおすすめ?
さて、肝心のモデル選びだが「パラダイム Ai スモーク アイアン」のラインアップは3モデル。
飛距離を追求したレギュラーモデルパラダイム Ai スモーク アイアン
高弾道モデルのパラダイム Ai スモーク HL アイアン
軽さとつかまりを高めたパラダイム Ai スモーク MAX FAST アイアン
今回は、アマチュアがどちらを選ぶかは悩みどころの「レギュラーモデル」と「HL」を試打比較。

試打は指導経験豊富で、アマチュアの視点に立った試打分析に定評のある細川和也プロ(PHOTO/ Tomoya Nomura)
試打する7番アイアンのスペックを比べると、
レギュラーモデル:ロフト28度、クラブ長さ37.25インチ
HL:ロフト30度、クラブ長さ37.5インチ
シャフトはどちらも純正のNSプロ ZEROS 7(S)
ロフトが立っている分、飛距離はレギュラーモデルに分がありそうだが、逆に高さはHLのほうが出そう。クラブの長さの違いは振り心地にどう影響するのだろうか。
「構えた印象は、どちらもグースがついていて、つかまりが良さそうですね。中空モデルですがヘッドが大きすぎないのもいいです。HLのほうがソール幅が広く重心の低さを感じますね。さっそく打ってみましょう」(細川プロ)
ドライバーのヘッドスピードが45~46m/sほどの細川プロだが、今回は一般的なアマチュアゴルファーを意識したスピードで打ち比べてもらった。

数値はトラックマンで計測。ボールはキャロウェイのCHROME TOURを使用(PHOTO/ Tomoya Nomura)
「HL」は文句なしにやさしい! パラダイム Ai スモーク アイアン試打結果
そして、それぞれの試打結果(ベストボールのデータ)がこちら。
レギュラーモデル
パラダイム Ai スモーク アイアン試打結果


キャリー:167.8ヤード
トータル:178.8ヤード
スピン量:4890rpm
着地角:44.4度
HL
パラダイム Ai スモーク HL アイアン試打結果


キャリー:167.3ヤード
トータル:175.7ヤード
スピン量:5610rpm
着地角:48.2度
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「どちらもやさしいですね。予想通り、レギュラーモデルのほうがランが出るので少し飛び、HLのほうが打ち出し角が高く弾道も高いです。ただ、振ってみたら数値以上にそれぞれの違いを感じました」(細川プロ)

低重心化を図るためだろう、HLのほうがわずかにネックが短い(PHOTO/ Tomoya Nomura)
「HLのほうが、低重心にしてボールを上がりやすくするためでしょう、レギュラーモデルよりネックがわずかに短いです。ヘッドの設計もあると思いますが、その分、重心角が大きく、インパクトでヘッドをスクエアに戻しやすいです。しっかりつかまった高いボールがやさしく打てます。HLのほうがシャフトが長いですが、つかまりのよさは8番アイアンぐらいの感覚ですね。これは多くのアマチュアに合うと思います。おすすめです」と細川プロは絶賛する。

左がレギュラーモデル、右がHL。HLのほうがわずかに重心角が大きい(PHOTO/ Tomoya Nomura)
ではレギュラーモデルの印象はどうだろう?
「あくまで両モデルを比べればですが、レギュラーモデルはHLよりつかまりが抑え気味で、しっかり叩いていきたい人、打ち込むタイプで弾道が高い人におすすめです。飛距離性能の高い中空アイアンですが、適量のスピンが入りますし、決して弾道が低くいわけではありません。HLよりヘッドの操作性も高く感じます。HLは弾道が高すぎる人、年齢とともに落ちてきた飛距離を少しクラブで補いたいアスリート志向の方にとてもいいと思います」(細川プロ)
弾道の違いを比較

レギュラーモデルも十分な高さが出ているが、HLアイアンのほうが弾道は明らかに高い
アマチュアが試打するときのポイントは?

「計測データを見ながら試打比較してほしい」と細川プロ(PHOTO/ Tomoya Nomura)
「パラダイム Ai スモーク アイアンは、ぜひ弾道計測器のある環境で比べてほしいですね。試打ではトータルの飛距離に目が行きがちですが、着地角に注目してください。これはボールがどれくらいの角度で地面に落ちたかを表すものですが、一般的なアマチュアの方なら、このシリーズは7番アイアンで着地角が38~40度のモデルを選ぶといいでしょう。40度出ていたら最高ですね。しっかりグリーンに止められるはずです」(細川プロ)
中空アイアンを新たな領域に引き上げたパラダイム Ai スモーク アイアン

「少し弾く感覚はありますが、打感・打音は中空アイアンとは思えません」と細川プロ (PHOTO/ Tomoya Nomura)
「中空アイアンは確かに反発性能が高く、飛距離は出ますが、振った分だけ前に飛んでしまって縦距離を合わせにくい印象がありました。自分のキャリーを把握することは中空アイアンに限らずスコアメイクのためにはとても重要なポイントですが、その点でもパラダイム Ai スモーク アイアンは非常にいいと思います。高弾道モデルのHLはもちろん、レギュラーモデルでもスピンが適量に入り、振った分が高さになるので、これなら飛距離も出て、縦距離を把握しやすいと思いますよ」(細川プロ)
ちなみに軽量モデルのパラダイム Ai スモーク MAX FAST アイアンの試打結果は?

試打結果はベストボールのデータ
キャリー:175.5ヤード
トータル:190.7ヤード
スピン量:4370rpm
着地角:40.2度
「MAX FASTは長さ37インチとシリーズ中でいちばん短いですが、そのぶん軽いのでシャープに振り切れます。ロフトが26度と立っているので、これは飛びますね。レギュラーモデルよりさらに飛距離が欲しいなら、これで間違いないありません」(細川プロ)

HLアイアンのソール形状をチェック。「このカタチなら抜けもよさそう」と細川プロ(PHOTO/ Tomoya Nomura)
「飛距離、弾道の高さ、Aiフェースによる寛容性……。ここまでのモデルが出来てしまうと、アイアンに進化の余地があるのかな?」と細川プロをうならせた『パラダイム Ai スモーク アイアン』シリーズ。ぜひ、一度、試打してみてはいかがだろう。
試打:細川和也プロ
ツアーで活躍後、現在は東京板橋の「プレミアムワールドゴルフ」でレッスンに勤しむ
PHOTO/ Tomoya Nomura
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