2月2日に発売されたテーラーメイド「Qi10 MAX」と、翌週の8日発売のピン「G430 MAX 10K」。ともに「10K」の大慣性モーメントをうたい発売当初から話題のドライバーだが、どちらの「10K」ヘッドの曲がりが少ないのか、そして飛ぶか。試打で徹底検証を試みた。
画像: 同じシャフト『ツアーAD VF 6-X』と同じグリップ『パルマックス』にした『G430 MAX 10K』と『Qi10 MAX』を持つ癸生川プロ(左)と小島プロ(右)

同じシャフト『ツアーAD VF 6-X』と同じグリップ『パルマックス』にした『G430 MAX 10K』と『Qi10 MAX』を持つ癸生川プロ(左)と小島プロ(右)

テーラーメイドとピンの『10K』ヘッドを打ち比べ

「ガチ」をうたい文句に、気になるモデルを徹底試打する本企画。今回も、癸生川喜弘プロが試打を行い、小島慶太プロがデータを分析を行った。

「10K」とは「10,000」のことで、ヘッドの上下・左右の慣性モーメントの合計が1万g・㎠を超えていることを示す。すなわち、慣性モーメントが極めて高く、ミスヒット時のヘッドのブレが小さいということ。

10Kを実現した「Qi10 MAX」と「G430 MAX 10K」は発売以来、共にドライバー部門の売り上げのトップ争いにしのぎを削る人気モデルだ。Myゴルフダイジェストでは、この2つのモデルの比較試打企画を2度にわたって行った。前回は純正シャフトでの打ち比べだったが、2度目の今回は、「10K」ヘッドの実力差を引き出すために、同一のシャフトとグリップを装着して試打を敢行。

同一シャフト&グリップでヘッド特性をガチ検証!

試打ヘッドはテーラーメイド/Qi10 MAX(10.5度)G430 MAX 10K(10.5度)。シャフトはどちらもグラファイトデザイン/ツアーAD VF-6(フレックスX)、グリップ/PALMAXに統一。これでヘッド単体の性能が見えてくるはずだ。

画像: 試打したヘッドピン『G430 MAX 10K』とテーラーメイド『Qi10 MAX』。シャフトはグラファイトデザイン『ツアーAD VF 6-X』だ

試打したヘッドピン『G430 MAX 10K』とテーラーメイド『Qi10 MAX』。シャフトはグラファイトデザイン『ツアーAD VF 6-X』だ

試打結果は以下の通り。
Qi10 MAX
<トラックマン4のデータ>
弾道/ドロー
クラブスピード●46.1m/s
ボールスピード●68.9m/s
打ち出し角●11.2度
スピン量●2876rpm
キャリー●246.4ヤード
トータル●267.0ヤード
曲がり幅(SIDE)●13.0左

<GCクワッド>
Hインパクト(左右打点)●12ミリトウ
Vインパクト(上下打点)●8ミリ下

G430 MAX10K
<トラックマン4のデータ>
弾道/フェード
クラブスピード●46.4m/s
ボールスピード●68.9m/s
打ち出し角●12.3度
スピン量●2911rpm
キャリー●240.8ヤード
トータル●258.7ヤード
曲がり幅(SIDE)●13.6右

<GCクワッド>
Hインパクト(左右打点)●2ミリトウ
Vインパクト(上下打点)●7ミリ下

表示した数値はともに、1打目で出たものだが、比べるとほぼ同じ数値が出た。
大きく違いが出てのはトータル飛距離、そして球の曲がりだけ。

画像: クラブ計測値やボール初速などはほぼ同じ数値なのに、弾道の違いが如実に出た。その結果に小島プロも驚きの表情

クラブ計測値やボール初速などはほぼ同じ数値なのに、弾道の違いが如実に出た。その結果に小島プロも驚きの表情

この違いは、弾道の違いによるもの。「Qi10 MAX」の弾道がドローで、スピン量は2876rpmで飛距離は267ヤード、13.0ヤード左に止まった。一方の「G430 MAX 10K」はフェードでスピン量は2911rpm、飛距離は258.7ヤードで右に13.6ヤードという結果に。

試打をした癸生川プロのコメントは、「『Qi10 MAX』はつかまるね。打点はちょっと先っぽだったけど、それでもつかまったからね。普段打っている自分のクラブと似た感じで振れたかな。『G430 MAX 10K』は構えたところに飛んでいってくれた。(もともとフェーダーなので)こっちのほうが僕は打ちやすいかな」というもの。

癸生川プロは、「Qi10 MAX」は、しっかりつかまってくれる。「G430 MAX 10K」はほどよくつかまってくれるという印象を受けたようだ。

この癸生川プロの感想を受けてデータ分析担当の小島プロのコメントは、

「シャフトやクラブスピードとかを揃えた試打結果で見ると、『G430 MAX 10K』もつかまらないヘッドではないけれど。『Qi10 MAX』のほうが多少つかまると言っていいと思います。両方“10K”という名前に相応しい慣性モーメントの高さはミスをしたときに感じて、弾道の安定性に繋がっていると思います」というものだ。

詳しい試打結果に関しては『Myゴルフダイジェスト』でチェックして、クラブ選びの参考にしてほしい。

PHOTO/Tomoya Nomura
THANKS/アコーディア・ゴルフ 技術研究所

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