ハワイのザ・セントリーからスタートした今季ツアーは前週のメキシコオープン at ヴィダンタまでに8試合を終えたばかり。だがスコッティ・シェフラーやマキロイ、パトリック・カントレー、ザンダー・シャウフェレ、マックス・ホーマら勝って然るべき選手が勝てていない。
メジャーチャンプはジェネシス招待で2年ぶりに優勝を挙げた松山英樹と、悪天候で54ホールに短縮されたAT&Tペブルビーチプロアマで棚ぼた的な勝利を納めたウィンダム・クラークだけ。
そして有名選手の勝利数を上回ったのがルーキーの優勝者の数だ。昨シーズン新人の優勝は3人だったが8試合ですでに昨年に並ぶ3人がトロフィーを掲げている。ちなみに22年シーズンのルーキーVはわずか2人だった。
ジ・アメリカン・エキスプレスでは20歳になったばかりのニック・ダンラップが91年のフィル・ミケルソン以来33年ぶりにセンセーショナルなアマチュア優勝を飾り翌週プロに転向。
難コース(トリーパインズ)でおこなわれたファーマーズインシュランスオープンでは今季欧州ツアーからPGAツアーに転身したばかり31歳のルーキー、マチュー・パヴォン(仏)がチャンピオンに輝いた。フランス勢の優勝はツアー初で地元開催のパリ五輪イヤーの朗報だった。
さらに前週のメキシコオープン at ヴィダンタでは29歳のジェイク・ナップが初優勝。昨年までカナダツアーや下部ツアーで下積み生活を送り今季ようやくPGAツアーの出場権を掴んだ彼は数年前ゴルフで生計を立てることができずナイトクラブの用心棒(警備員)をしていた異色の経歴の持ち主だ。
そんな彼らと優勝争いを演じながら勝てなかったのが世界ナンバー1のシェフラー。出場5試合でトップ10入り4回はさすがだが、唯一トップ10を逃し17位タイに終わったジ・アメリカン・エキスプレスではアマチュアの優勝を見届けるしかなかった。
世界ランク2位のマキロイは欧州で1勝を挙げているが米ツアーでは2試合に出場し66位タイ、24位タイと振るわずV争いに絡めていない。
今月はシェフラーが連覇を狙うビッグイベント、プレーヤーズ選手権、来月にはマキロイのキャリアグランドスラムがかかるマスターズがおこなわれる。ビッグネームたちの憂鬱は大舞台で解消されるのだろうか?