プロフィール
青木瀬令奈(あおきせれな)
1993 年生まれ、群馬県出身。シード選手の中で最もドライバーが飛ばないにもかかわらず、昨年シーズン2勝を挙げ、メルセデスランキング12位とキャリアハイの成績を残した。
今年は「メジャー優勝」を目標に掲げ、さらなる高みを目指している。
“超真剣”に打っていますか?
2打目はすべてのショットの中で最も考えることが多いと断言する青木。“超真剣”に考えている理由は実に単純、『スコアに直結するショット』だから。
「2打目の精度が上がれば大ミスがなくなり、大叩きすることもありません。ティーアップの位置を選べて、かつ平らな場所から打てるティーショットと比べて、2打目はライが選べないし、平らでもない。さらに風や打ち上げ、打ち下ろしなどもある。ティーショットよりももっと小さな的に打っていかなければならないことを考えると、ピンまでの距離だけを目安に打って成功するショットではないんです」
見出しの質問に関しては、「2打目以外は、だいたいみんな同じところにいて、同伴者が見ていますよね。だから集中していると思うんですが、2 打目は結構“放置プレー”になることが多い。適当になる理由のひとつだと思います」と。
“適当さ”がボディブローのように効いてくるんです
いい意味での適当さは気持ちをリラックスさせる効果はあるが、何も考えずに適当に打つととんでもない大ミスを引き起こす。その危険性を最も秘めているのが2打目。丁寧に、かつ真剣に自分が打ちたいショットを明確にすることが重要。
これは大前提! クラブは2本以上持っていく!
ピンまでの距離だけでなく、手前の池やバンカーを越える距離やエッジまでの距離を測ることでクラブは2本に絞られ、そこからライを確認して、初めて打ちたいショットが明確になりクラブが決まる。
2打目でやるべきはリスクマネジメント
どのショットよりも2打目を超真剣に打っている青木が、その2打目で大切にしていることは覚悟だという。一般的には気合だとか気持ち的な要素に聞こえがちだが、青木の言う覚悟とは「万全の準備をしっかり行う」ことにある。
「ティーショットがある程度成功すると、多くの方が単純にピンを狙おうとします。要は100点を狙いにいくわけですが、私の場合は70点を真剣に狙いにいきます。なぜかというと、それほど2打目には難しさが潜んでいると考えているからです。ゴルフはミスをするスポーツで、2打目はそれが顕著に表れるので、自分のミスの傾向などを考慮した、リスクマネジメントが大切になるんです。“ナイスミス”をどれだけ打てるかが重要になってくるんです」
もちろん、リスクマネジメントにはある程度の経験値は必要。だが、ミスの傾向を記憶しておくだけでも、2打目の精度を上げるための糸口になる。
また、各クラブのキャリーを把握することは絶対条件。打つべき距離を正確にジャッジしたら、ライや風などを考慮してクラブを選択。しっかり準備を整えることが2打目で最も大切なこと。
何も準備していないのに100点を狙っていませんか? ミスを消せれば70点が近くなる!
やること① ライに対してどんなミスが出やすいか?
例えば、つま先上がりは一般的には引っかけやすいが青木の場合は右に出やすい。
人によってミスの傾向は異なるので、ライによる自分のミスの傾向を把握して、そのうえでクラブ選択を行う。
やること② 自分はどっちの ミスが出やすいのか?
ライによってはヘッドスピードが落ちることもある。
常に100点のショットができると思わずに、こういうときは上体が突っ込みやすいとか、クラブが寝やすいなど、自分の癖を把握することは必須。
やること③ キャリーを知っているか?
ピンまで150yで、手前のバンカーを越えるのに140yキャリーが必要なときに、持っている番手のキャリーが135yだったら、そもそもマネジメントは成立しない。
距離は絶対にキャリーで把握する。
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青木瀬令奈直伝の技術やマネジメントは、2024年4月号の「月刊ゴルフダイジェスト」とMYゴルフダイジェストにて掲載中!
TEXT/Masato Ideshima
PHOTO/Takanori Miki
THANKS/かねひで喜瀬CC