“タイパ(タイムパフォーマンス)”や”コスパ(コストパフォーマンス)”の時代。米国や欧州では、サクッと9ホール回るスタイルが流行っているそう。日本でも普及するだろうか。専門家やアマチュアゴルファーに聞いてみた。
画像: 夏場に薄暮の9ホールを楽しむゴルファーは増えつつある!?(写真はイメージ)

夏場に薄暮の9ホールを楽しむゴルファーは増えつつある!?(写真はイメージ)

●酷暑の夏は9ホールプレーを前面に押し出したらどうですか

米国では、かなり昔から9ホールプレーが行われていました。僕がアメリカにいた90年代も「トワイライトナイン」といって、フィー割引ラウンドで、カートフィー15ドルくらいで回れていましたから。フロリダなどは日が長いので、16時頃からでも9ホールなら楽勝で回れます。そんな下地があるところに、コロナ禍による時短業務で、さらに盛んになったのでしょう。日本はもともと、スルーなしの18ホールのラウンドが基準なので、対応がスムーズにできないかもしれません。しかし、働き方も自由になってきた今、時代に合わせた対応をしなければゴルフ場も生き残っていけないと思いますよ。僕が会員になっているコースでは会員同士なら9ホールプレーもOKです。特に酷暑の夏は9ホールプレーを前面に押し出したらどうですかね。(タケ小山、テレビ解説者・プロゴルファー)

●クルマがないから不便

一人で行ける距離にゴルフ場があれば、18ホールより9ホールのほうがいいけど……。クルマでコースまで乗せてもらって行く身分なので。(20代男性・埼玉県)

●米国では流行っても、日本ではそこまで根付かないのでは? 

環境の違いが大きいと思います。アクセスのいいコースで、ハーフプレーの仕組みができれば可能性はあるかもしれませんが……。自宅から遠くのコースまで行って、9ホールだけのプレーじゃもったいない感じがすると思うんですよね。でも、私は個人的には賛成。半日をゴルフ、半日を別に活用すれば1日で2度おいしい。団塊世代の引き留め策にもなるし、全体のプレー頻度も上がってゴルフ場業界にメリットはあると思います。(70代男性、東京都)

●初心者に9ホールはぴったり

妻がゴルフを始めた2年前、川口市浮間ゴルフ場には何度も9ホールプレーをしに行きました。私には物足りなかったですが、そこは奥さんの顔色をうかがって(笑)。実際、初心者にはぴったりだと思いますよ。1時間程度で行けるゴルフ場、荒川、江戸川、利根川の河川敷のコースはうってつけですね。早朝、薄暮だけでなく、日中でも9ホールプレーのシステムが確立できれば、高齢者を中心に需要はあると思いますよ。(60代男性、東京都)

●若洲GLに薄暮以外の9ホールプレーがあったら……

住まいは東京の江東区。家から近い若洲ゴルフリンクスに薄暮の9ホールプレーがあるのですが、時間に関係なく9ホールでプレーできるようになったら嬉しい!(30代男性・東京都)

●競技ゴルファーに9ホールではイマイチ物足りません

せめて12ホールスルー、3時間ラウンドなら、高齢者の上級プレーヤーでも満足できるのでは。スタートホールを旧軽井沢ゴルフ場みたいに数カ所設けて、変化をつけるといいですね。(70代男性、長野県)

●「今日は天気がいいから午後ハーフ行くか」

「今日は天気がいいから午後ハーフ行くか」みたいな感じで気軽に行けるコースがあれば、ゴルフも“日常”となって普及すると思います。(50代男性、神奈川県)

●ゴルフ場へ行くだけでコスパもタイパも悪い

ゴルフ場はどこへ行くにも家から1時間はかかります。行くだけでコスパもタイパも悪い。せっかく行くなら18ホールって思いますよ。(30代女性・東京都)

●高齢者に9ホールはいい

9ホールプレーに関してまずポジティブな意見から。高齢者になると、18ホールは体力的に厳しいが、9ホールなら大丈夫という人に大いに役に立つと思います。時間的にも最低4時間はかかるところが、9ホールだと2時間と時短になります。さらに料金も安くなれば、ゴルフがもっと身近な存在になるでしょう。ネガティブな意見としては、ゴルフ場までの移動時間が長い場合、9ホールだけではもったいないと考える人は少なくないでしょう。また、ゴルフ場側としても売り上げ、特にレストランの売り上げが減少するリスクが高くなるといえます。とはいえ、高齢者がゴルフをリタイアする時期を遅らせる策として、ゴルフ場側は考えていく絶好のタイミングだと思います。(菊地英樹、ゴルフ場経営コンサルタント)

●朝露輝く早朝ハーフ

ある写真家が「朝夕の斜光の時が稼ぎ時だ」と言っていました。朝露輝く早朝ハーフ。またはちょっと古いですが、映画「夕陽のガンマン」を気取っての薄暮ゴルフ。考えただけでウズウズしてきます。というわけで9ホールプレーに大賛成。できたら愛犬と一緒に回りたい!(60代男性、埼玉県)

●9ホールプレーなら買い物も楽しめる

ゴルフ場のそばにはアウトレットモールや道の駅があるケースが多いので、9ホールプレーなら買い物も楽しめる。SAも最近はグルメが大充実。1日中たっぷり遊べて、高速代のもとが取れるってもんです。(50代女性、東京都)

●出社前に9ホール

夏場、近場の河川敷で9ホールプレーしてから出社して来る人がいましたよ。仕事のできる人で、さすが時間の使い方もうまいなあと思いました。(60代女性、神奈川県)

●2サムだとバッグ料金が割増でコスパが悪い

近くの河川敷コースはハーフプレーができるけど、2サムだとバッグ料金が割増でコスパが悪い。一人でも二人でもお金がかからずゴルフができるなら、9ホールでもプレーしたい。(20代男性・千葉県)

●9ホールプレー、大賛成で、実行しています

18ホールで5時間かかればひざや腰などが痛くなってしまいますが、2~3時間なら程よい疲れ。プレーの後は、ゆっくり風呂に入って食事。車なら早い時間にコースを出られて高速の渋滞も少ない。さらにプレー料金も安い。健康+時短+低料金、いいことずくめ。近くに赤羽GCがあって、女房とよく行きます。帰りに買い物したり、家事、掃除などの時間もできます。女房殿の機嫌もよくなり家庭円満!(70代男性、東京都)

●日本のゴルフは18ホールが基本だという固定観念が強すぎます

本来ゴルフはマッチプレーが原形。2ボール、ベストボール、フォアボール、またステーブルフォードなどではホールホールで勝負がついたらボールはピックアップします。だからプレーが早い。ところがストロークプレーだと1ホールいくつ叩いても、みんな熱心に数えてスコアカードに書いていきます。結果、5時間を超すラウンドになってしまいます。プロトーナメントでストロークプレーなら仕方ないと思いますが、レクリエーションゴルフならもっと時間をかけないプレー方式でいいと思います。そういう意味で9ホールプレー、賛成です。僕が所属する鳴尾GCは、実は、途中途中で上がれるようにレイアウトされているんですよ。1~3番、7~9番、インでも11~13番、14~16番でクラブハウスに上がれます。途中で上がるメンバーさんも実際います。ゴルフはもっと自由でいいと思います。(水巻善典、プロゴルファー)

●ウチでは”制度”として9ホールプレーをやっていません

ただその組の都合でハーフプレーをやるということはあるでしょうね。午後のハーフプレーを実施するならば、皆さんが上がってきた後の15時過ぎからのスタートとなりますよね。そうなるとコースとしても従業員の残業となって、働き方改革がいわれている時に苦しい人員配置になります。ゴルフ場も人手不足に変わりはありませんから。会員さんからの声が強くなれば、その方策を考えることになるでしょうが……。(中村尊重、八王子CCキャディマスター)

※週刊ゴルフダイジェスト2024年3月12日号「山を動かす~米国や欧州で流行の9Hプレー、どう思う?」より一部加筆

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