下手なマン振りは右ひじが縮む
GD “マン振り”について青木コーチにお伺いしたいのですが、そもそもですが、マン振りしていいものなのでしょうか。
青木 実は、僕はいつも初回のレッスンでマン振りから教えています。
GD そうなんですか!
青木 とにかく思いっ切りドライバーを振らせます。みんな自分の限界で振ってるつもりではいるけど、全然飛ばない(笑)。
GD 曲がるってことですか。
青木 逆です。上手く振れないから曲がるんです。マン振りすると、99%の人が手や腕や肩など上体が力みます。そうなると、トップからダウンスウィングへの切り返しのときに、必ず起こる現象があります。
GD どうなるのでしょうか。
青木 切り返しで「手元が体に近づく」のです。インパクトで手元がかなり先行してヘッドが遅れて下りてくる極端な“振り遅れ”が起こります。これが、マン振りしたときに起こるミスの原因です。
GD だからマン振りしても曲がってしまうのですね。
青木 そうです。振り遅れるとボールは曲がりますし、インパクトでパワーを強く伝えることができません。だから、マン振りしているのに飛ばないし曲がるという現象が起こるのです。だから、マン振りしても手元が体に近づかないように、右腕を曲げないように振らないといけないんです。
GD その意識をすればマン振りしても曲がりませんか?
青木 右腕が曲がらず手元が体の近くに寄らないためには、下半身の使い方が重要になってきます。次はそのやり方をお伝えします。
インパクトで左足かかとを全力で踏み込む!
GD マン振りしたとき、切り返しで手元が体に近づかないようにするには、下半身の動きがポイントとおっしゃいましたが、どうしてでしょうか。
青木 全力で振る、いわゆるマン振りをするには、大きな筋肉を使って振らないと出力を出せないため速く振れません。体の中では脚やお尻が大きな筋肉を占めるので、必然的に下半身を使って振ることになってきます。下半身に意識がいけば、上体の力みも自然と抜けてきます。
GD 具体的には、下半身をどう使えばいいのでしょうか。
青木 スウィング中のポジションによって、足裏の重心のかけ方を覚えることです。
トップでは“右足かかと”に重心を乗せます。テークバックでは体が右回転するため自然と右足かかとへ重心が乗ってくると思います。
次は切り返しからダウンスウィングで“左足つま先”へ荷重を移動させます。イメージ的には左足つま先に“乗る”感覚がいいと思います。
そして最後は、インパクトに向かって“左足かかと”を思いっ切り踏み込みます。この踏み込む力が強ければ強いほど、体の回転スピードが上がるので、スムーズにマン振りができるようになります。
GD 上半身の意識はまったく要らないんですね。
青木 マン振りしたいなら、トップからインパクトまでの足裏の荷重ポイントに意識を集中させてください。上体の力みもなくマン振りできるので、曲がらず飛ばすことができるようになります。
トップからインパクトまでに気をつけるポイント
トップからいきなり左足かかとに体重を乗せると、上体が突っ込み大スライスかチーピンする原因に
つながる。
左足かかとが踏み込めないと、腰がスムーズに回転できず、上体が起き上がり大スライスしてしまう。
切り返しからインパクトにかけて、左足かかとを地面に向かって思い切り踏み込むことで、体の回転スピードにつながる。「空き缶を左足かかとで潰すくらいの強さでOKです」と青木コーチ
マン振りをするためには、下半身の踏み込む手順と左足かかとへの全力の踏み込みがポイントになりそうだ。
※「マン振りの練習方法」などの続きは2024年3月16日12時にアップ予定です。
PHOTO/ARAKISHIN
THANKS/六甲国際ゴルフ倶楽部
※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月27日&3月5日合併号「”曲がらない”マン振り教えます」より一部抜粋