ココ一番で飛ばしたいとき、ほとんどの人が力いっぱい振る“マン振り”をするだろう。しかし、ドスライスやチーピンなどのミスになるのがほとんどではないだろうか。2024年2月27日・3月5日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、全力で振ってもミスしない“曲がらないマン振り”を、メジャーチャンプを育てた青木翔コーチに教えてもらっている。みんゴルでは2回に分けて紹介していこう。
画像: 「力まない程度に右ひじが曲がらないよう振り上げます。人によって体の硬さが違うので、右ひじが曲がらない程度のところでトップを完了させるのがベストのトップの形です」と青木コーチ

「力まない程度に右ひじが曲がらないよう振り上げます。人によって体の硬さが違うので、右ひじが曲がらない程度のところでトップを完了させるのがベストのトップの形です」と青木コーチ

下手なマン振りは右ひじが縮む

画像: マン振りしようとすると上体が力みやすくなる。そのため、手元が先行して体へ近づきヘッドが遅れる“振り遅れ”によってミスショットが起こるという青木コーチ。また、左腕が伸びていても振り遅れてしまうので右腕を意識すること

マン振りしようとすると上体が力みやすくなる。そのため、手元が先行して体へ近づきヘッドが遅れる“振り遅れ”によってミスショットが起こるという青木コーチ。また、左腕が伸びていても振り遅れてしまうので右腕を意識すること

GD “マン振り”について青木コーチにお伺いしたいのですが、そもそもですが、マン振りしていいものなのでしょうか。

青木 実は、僕はいつも初回のレッスンでマン振りから教えています。

GD そうなんですか!

青木 とにかく思いっ切りドライバーを振らせます。みんな自分の限界で振ってるつもりではいるけど、全然飛ばない(笑)。

GD 曲がるってことですか。

青木 逆です。上手く振れないから曲がるんです。マン振りすると、99%の人が手や腕や肩など上体が力みます。そうなると、トップからダウンスウィングへの切り返しのときに、必ず起こる現象があります。

GD どうなるのでしょうか。

画像: トップからインパクトにかけて、手元が体に近づかないように右ひじを曲げる意識を持たず振り下ろすこと。この動きができれば、振り遅れによるミスは解消される

トップからインパクトにかけて、手元が体に近づかないように右ひじを曲げる意識を持たず振り下ろすこと。この動きができれば、振り遅れによるミスは解消される

青木 切り返しで「手元が体に近づく」のです。インパクトで手元がかなり先行してヘッドが遅れて下りてくる極端な“振り遅れ”が起こります。これが、マン振りしたときに起こるミスの原因です。

GD だからマン振りしても曲がってしまうのですね。

青木 そうです。振り遅れるとボールは曲がりますし、インパクトでパワーを強く伝えることができません。だから、マン振りしているのに飛ばないし曲がるという現象が起こるのです。だから、マン振りしても手元が体に近づかないように、右腕を曲げないように振らないといけないんです。

GD その意識をすればマン振りしても曲がりませんか?

青木 右腕が曲がらず手元が体の近くに寄らないためには、下半身の使い方が重要になってきます。次はそのやり方をお伝えします。

インパクトで左足かかとを全力で踏み込む!

GD マン振りしたとき、切り返しで手元が体に近づかないようにするには、下半身の動きがポイントとおっしゃいましたが、どうしてでしょうか。

青木 全力で振る、いわゆるマン振りをするには、大きな筋肉を使って振らないと出力を出せないため速く振れません。体の中では脚やお尻が大きな筋肉を占めるので、必然的に下半身を使って振ることになってきます。下半身に意識がいけば、上体の力みも自然と抜けてきます。

GD 具体的には、下半身をどう使えばいいのでしょうか。

画像: 「マキロイの下半身がマン振り打法のお手本です」(青木コーチ)。下半身の使い方がすべて。踏み込む手順を覚えればマン振りしても曲がらない。トップ→切り返し→インパクトまで順序通りに足裏の重心のかけ方を覚えること

「マキロイの下半身がマン振り打法のお手本です」(青木コーチ)。下半身の使い方がすべて。踏み込む手順を覚えればマン振りしても曲がらない。トップ→切り返し→インパクトまで順序通りに足裏の重心のかけ方を覚えること

青木 スウィング中のポジションによって、足裏の重心のかけ方を覚えることです。
トップでは“右足かかと”に重心を乗せます。テークバックでは体が右回転するため自然と右足かかとへ重心が乗ってくると思います。
次は切り返しからダウンスウィングで“左足つま先”へ荷重を移動させます。イメージ的には左足つま先に“乗る”感覚がいいと思います。
そして最後は、インパクトに向かって“左足かかと”を思いっ切り踏み込みます。この踏み込む力が強ければ強いほど、体の回転スピードが上がるので、スムーズにマン振りができるようになります。

GD 上半身の意識はまったく要らないんですね。

青木 マン振りしたいなら、トップからインパクトまでの足裏の荷重ポイントに意識を集中させてください。上体の力みもなくマン振りできるので、曲がらず飛ばすことができるようになります。

トップからインパクトまでに気をつけるポイント

画像: トップから切り返しで、右足かかとから左足つま先へ斜めに移動(写真左)。切り返しでは左足つま先に体重を乗せる(写真右)

トップから切り返しで、右足かかとから左足つま先へ斜めに移動(写真左)。切り返しでは左足つま先に体重を乗せる(写真右)

トップからいきなり左足かかとに体重を乗せると、上体が突っ込み大スライスかチーピンする原因に
つながる。

画像: インパクトで左足かかとを踏み込むときに、左わきでクラブを引っ張る感じを持つ

インパクトで左足かかとを踏み込むときに、左わきでクラブを引っ張る感じを持つ

左足かかとが踏み込めないと、腰がスムーズに回転できず、上体が起き上がり大スライスしてしまう。

切り返しからインパクトにかけて、左足かかとを地面に向かって思い切り踏み込むことで、体の回転スピードにつながる。「空き缶を左足かかとで潰すくらいの強さでOKです」と青木コーチ

マン振りをするためには、下半身の踏み込む手順と左足かかとへの全力の踏み込みがポイントになりそうだ。

※「マン振りの練習方法」などの続きは2024年3月16日12時にアップ予定です。

PHOTO/ARAKISHIN

THANKS/六甲国際ゴルフ倶楽部

※週刊ゴルフダイジェスト2024年2月27日&3月5日合併号「”曲がらない”マン振り教えます」より一部抜粋

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