アーノルド・パーマー招待でシーズン初優勝を飾り連覇がかかるプレーヤーズ選手権に乗り込んだシェフラーはフェアウェイキープ率85.71パーセント(全体の2位)、パーオン率83.33パーセント(5位タイ)と相変わらず安定したショットで6バーディ(1ボギー)を奪った。
前週3日目に好スコアをマークし優勝を狙える位置に浮上しながら最終日崩れて21位タイに終わったマキロイはこの日ショットを曲げ池ぽちゃが2回。それでも10バーディを量産しトップに並んだ。
大会前アイアンの不調を嘆き「ドライバーは良いのにそのフィーリングをアイアンで再現しようとすると左から左へ飛んでしまう。テクニックを少し整理する必要がある」と語ったマキロイだが、いざ本番になるとアイアンが冴え好調なパットと相まって好スコアを紡ぎ出した。
しかし問題だったのは「好調」だったはずのドライバー。14ホール中ファアウェイヒットは8回。しかも7番と18番で池につかまりダブルボギー、ボギーを叩いた。それでも7アンダーをマークしたのだからさすがだ。
じつはここにマキロイの魅力がある。球を曲げながらスコアを作れる。そこに面白みを感じファンは興奮する。
たとえば往年のセベ・バレステロスはショットを曲げ、時には駐車場から、時にはお皿一枚の空間を抜いて林の中からスーパーショットを繰り出しバーディを奪って人々を熱狂させた。
タイガー・ウッズも然り。絶体絶命のピンチから想像を超えるようなショットを成功させる彼にファンは陶酔したのだ。
ゴルフは曲がるから面白い。しかし近年道具の進化で圧倒的に球が曲がらなくなった。曲がらない道具の恩恵を誰よりも享受しているのがシェフラー。言い換えると強いけれど面白みがない。
マキロイも直進性の高い道具の恩恵を受けてはいるが球を左右に曲げ操って攻める。それが池に捕まってもリカバリーで魅せるゴルフをするから彼はカリスマ的人気を誇っているのだ。
いっぽう秀才シェフラーは勝星を重ねても「すごいけれどつまらない」といわれてしまう。本人のキャラクターもあるがカリスマとは呼ばれない。
ゴルフファンのあなた、見たいのはマキロイ? それともシェフラー?