アイランドグリーンの名物ホール、17番で2.5メートルのバーディチャンスを沈められなかった瞬間、先に通算20アンダーでホールアウトしていたシェフラーの優勝はほぼ確定した。
「風の中(下りだったので)繊細なタッチが要求された。ラインより少し左に出た気はしたが悪いパットではなかった。でも優勝するためには2.5から3メートルは確実に決めなければならない。今日はその距離をいくつか外してしまった」とシャウフェレは反省の弁を口にした。

PGAツアー「ザ・プレーヤーズ選手権」、優勝したシェフラーに1打及ばず2位タイでのフィニッシュとなったザンダー・シャウフェレ(写真/Getty Images)
1打差の2位タイは今大会に初出場した18年以来2回目。ツアー通算優勝回数は7回だが2位は19年に松山英樹が優勝したときのマスターズを含め13回。トップ5フィニッシュは出場169試合中40回、トップ10入りは55回とおよそ3分の1がトップ10とその実力はライバルも一目置く存在だ。
昨年のウェルズファーゴ選手権で優勝争いをしたクラークとは今回も最終日最終組を一緒に回った。当時クラークはツアー未勝利。シャウフェレが有利だと思われたが最終日はスコアを伸ばせず同学年のクラークに勝利を譲った。
するとクラークはすぐさま全米オープンでメジャーチャンピオンに輝き、今季も54ホールに短縮されたAT&Tペブルビーチプロアマで優勝するなどトッププロの仲間入りを果たした。
対するシャウフェレはネクストメジャーチャンプ候補に挙げられこれまでにトップ10入り11回を数えながら未だ無冠。周りがどういおうと本人が一番悔しい思いをしているに違いない。
それでも松山やクラークの優勝を称える姿はグッドルーザーそのものだ。
「勝ちたければ炎の中を歩いて無傷でいられる覚悟がなければならない。それができれば勝てる。負ければ傷を舐めることしかできない。でも収穫は大きい。ポジティブな面もある。僕が見据えているのは全体像で長期的なビジョン」
彼が見据える未来にはいくつもトロフィーを掲げる本人の姿があるといい。