新神戸駅前にオープンしたパッティング練習システム「TOURPUTT(ツアーパット)」がそれだ。
ツアーパットとは韓国で開発されたパッティング専用シミュレーターで、オーランドで開催された今年のPGAショーで披露され、話題を呼んだ。
開発過程では全米女子オープンに勝利したイ・ジョンウン6などのパッティングコーチを務めたチェ・ジョンファン氏の力が大きかったという。
同店では205平方メートルもある広いフロアに、最大3%の傾斜を持つ5メートル四方のグリーンを造り、そこにさまざまな視覚的トレーニング要素をプロジェクターで投影する。打ったボールをセンサーが追跡し、データを収集する仕組みだ。
かといってトレーニングのような”苦しさ”は全くなく、パッティングの3大要素である方向性、距離感、ラインを読む能力をゲーム感覚で身に付けることができる。
この装置の機能の1つ「パターンテスト」では、ランダムに提示される36種のラインに対してパッティングを行い、ボールの打ち出し方向や距離感、ブレーキングライン、距離別成功率に関するデータを確認することができる。これに合わせトレーニングの目標を設定できるシステムになっているので、その場で納得できるのも良い。
ちなみに記者もパターンテストに挑戦してみた。スライスラインが大の苦手だったが、このテストにより原因が即座にデータ化されたのは驚きだった。
会員プランにはツアープロのスペシャルレッスンも用意されている。そのプロのなかにはアマ52冠、ツアーでも3勝している星野英正がいる。
データ分析のほか、パター選びや試合時のメンタル面についてもアドバイスしてくれるので、競技ゴルファーには強力な助っ人となろう。このフロアにはグリーンのほか、1打席のシミュレーションゴルフも併設されている。
「打席で打ってもらって心拍数を上げ、その結果パッティングに与える影響をデータに取ることなどのためです」(星野)というから、死角はなさそうだ。
経営は大山GC(鳥取県)のオーナー企業で、同システム販売の代理店も兼ねているという。会員制でレギュラー会員1万円、プレミア会員3万円、ペア会員5万円などとなっているが、施設体験も可能だという。
パット巧者になるために覗くだけでも損はしないだろう。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年4月2日号「バック9」より