日本男子ツアーを統括するJGTOの新会長に諸星裕氏が就任したが、最後まで難航した選出だった。

JGTOはこのほど臨時社員総会を開き、米ミネソタ州立大特別功労教授の諸星裕氏を選出した。4期8年務めた青木功の後任で任期は2年。副会長には現選手会長の谷原秀人、元PGA会長の倉本昌弘ら4人。  

画像: 中央が諸星裕氏(左は倉本昌弘、右は谷原秀人)

中央が諸星裕氏(左は倉本昌弘、右は谷原秀人)

同氏は1946年の生まれ。国際基督大学を卒業後、米ブリガムヤング大学院を経てオンタリオ州矯正省(女子刑務所)へ入省。以後、ミネソタ州立大学学部長代行を経て、犯罪学者の肩書も。帰国後は桜美林大学副学長やコメンテーターとして活躍した。

ゴルフは矯正省時代に覚え、2年でシングルに。しかし学生時代のアメフトで傷めた腰痛で競技ゴルフは断念したという。静岡県にある富士CCの会員になり副理事長にも就き、クラブハウスでウェスタンミュージックを奏でるなどメンバーライフを楽しむ。ゴルフへの造詣の深さを買われ、1999年のJGTO発足時から理事・副会長を14年間、主に国際関係担当を務めた。

ところで就任決定は臨時総会のある当日の朝、知らされた。選手たちから全権を委任されていた倉本は、「実はある方にお願いしていたが、折り合いがつかなかった。『決裂した場合は受けていただけますか? 』と失礼なお願いをしていた」と内幕を明かした。“ある人”とは大和証券元会長の鈴木茂晴氏と推測される。諸星氏は、いわばピンチヒッターだったわけだ。

一時は規模、賞金総額などPGAツアーと競った日本ツアーは近年衰退の一途。今季は史上最低の24試合を予定。「現在、賞金総額33億円。こちらからおカネをとりにいくしかない。それにはまず韓国や中国、オーストラリア、シンガポールなどと手をつなぎ、フィールドを広げたい。スポーツ団体として専務理事が切り盛りしていかないといけない」(諸星氏)

問題は山積みしている。国際派の手腕に期待したい。

※週刊ゴルフダイジェスト 2024年4月9日号 バック9より

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