上からコツン! はエッジが引っかかる
GD 春の花道は、冬の間に傷めつけられた枯芝で、デコボコや削られた跡も残っていて、夏の絨毯のような花道と比べたら格段に難しいんですよね。
高木 確かに春の花道は、芝がまだ伸びていないので、シビアにはなりますが、アプローチの基本を守っていれば、ちゃんと打てるんです。
GD そうなんですか? この時期は、花道より枯れたラフのほうがむしろ打ちやすいと思っていました。芝が薄くて、ボールが浮いていないときは、ダフらないようにボールをなるべく右に置いて、上からコツンと打ちたくなりますね。
高木 上から打つということは、リーディングエッジから入れるわけですね。でも、それだと、ほんの少し手前を噛んだだけでアウトですよね?
GD そうです。ダフっちゃいけないと思うほど、動きが硬くなって、ますますダフる。それで、ボールをさらに右に置いて上から打つ、という悪循環です。
高木 打ち方のコツはたったひとつ。ソールをちゃんと滑らせることなんです。このコツさえつかめば、春の花道はそれほど怖くないんですよ。
ソールが滑るヘッド軌道
高木プロにヘッド軌道を再現してもらうと、ハンドファーストにインパクトして、そのハンドファーストをキープしたまま、低く長くフォローを出している。インパクトゾーンのヘッドの動きは、ややレベルからアッパーだという。ソールが滑っていって芝が寝ている(写真の白矢印はインパクトゾーン)
ソールがザザッと滑っていく感覚
「実際の動きは違うと思いますが、私のイメージでは、ソールが滑りながら動いていく感じです。ハンドファーストをキープしたままソールを滑らせていくような動きで、それがインパクトゾーンというわけです」(高木)
バウンスをちゃんと使えるように構える
GD ソールを滑らせることが薄芝対策だとわかりましたが、どうすればいいんでしょうか?
高木 ひと言でいえば、バウンスを使えるように構えるんです。
GD バウンスを使える構え?
高木 そうです。フェースを開くと、バウンスが出てエッジが刺さらないから、ソールが滑ってくれるんですよ。
GD でも、それだとフェースが右を向きませんか?
高木 サンドウェッジはフェースを開いてもロフトが大きくなるだけで、フェース面はほぼ正面を向いたままなんですよ。
GD それと、バウンスが利いてエッジが浮いてくると、ヘッドがボールの下に入りにくくなるように感じるんですけど……。
高木 それも誤解ですね。ボールは丸いですから、エッジが数ミリ浮いても、ヘッドはちゃんとボールの下に入りますよ。
守ってほしい3つの原則 ソールが滑るのは構え方に秘密があるんです
【法則1】やや左足体重で構える
「最も大切なのは、左足体重で構えることです。スウィング中、頭の位置をキープできれば、頭ががボールより左にあるため、自然にハンドファーストにインパクトできて、ダフリの危険性を限りなくゼロに近づけることができます」(高木)
【法則2】ボール半個ぶん、いつもより右にセット
「ハンドファーストに当たりやすいように、いいライからピッチ&ランで寄せる時よりも、ボール半分くらい右に置きます。これで、ダフリにくくなり、自然にハンドファーストにインパクトできます」
【法則3】フェースを開いてバウンスを利かせる
「ソールを滑りやすくするため、フェースを開いて構えます。SWはフェースを開いてもフェースが右を向くわけではなく、バウンスがでてダフリにくくなります」
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/フェニックスゴルフアカデミー
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高木萌衣プロによる「打ち方」や練習方法は2024年4月9日号の「週刊ゴルフダイジェスト」かMyゴルフダイジェストにて確認を!
※週刊ゴルフダイジェスト 2024年4月9日号 「春の薄~い芝はソール滑らせアプローチでキマリ! 」から一部抜粋