2日目は悪天候のため中止になり3日間の短縮競技となりました。第2ラウンドを行う土曜日の天候は晴れ、最大瞬間風速14.2m/sで平均して8m/s前後の風が吹いています。ディフェンディングチャンピオンの穴井詩いわく「総合力が試される」葛城ゴルフ倶楽部山名コースは、フェアウェイは広いものの砲台グリーンの横に外すと傾斜のあるグリーンが簡単に寄せることを許してはくれません。
午前スタートでは、1アンダーからスタートした原英莉花、桑木志帆、イーブンパーの安田祐香選手の組に注目しました。
原英莉花選手は、アイアンはキャロウェイ「Xフォージド」に、ウェッジもキャロウェイ「ジョーズ ロウ」を46・50・56・60度の4本を投入しています。「ゴルフの調子は今一つ」という原選手ですが、インコーススタートの前半はパーを並べ18番のパー5でバーディを奪うと、4連続バーディで一気に5アンダーまでスコアを伸ばします。
強風の中、ドライバーでは少し顔をしかめるシーンもありましたがコントロールされたアイアンショットでチャンスメークしスコアを伸ばしていましたが、14番で3パットのボギーとすると15番パー5で右の斜面に飛んだボールが地面に埋まり、救済を受けた後のつま先上がりの2打目を左の林に打ち込んでしまいます。その後3メートルほどのパットを沈めナイスボギー、しかし次の16番の2打目をグリーン奥に外しボギーと3連続ボギーで2アンダーまでスコアを落とし、暫定16位タイで第2ラウンドを終えました。
ラウンド後の囲み会見では「風の読みを間違えてロングパットが残り、3パットのボギーから流れが悪くなってしまった」と話しました。新しく投入したアイアンについては、「距離感も風の中でのコントロールも良かった」と新アイアンの手ごたえを感じている様子でした。
続いて4つスコアを伸ばした桑木志帆選手は、出だしの10番でピタリとピンに寄せバーディ発進すると、12番のボギーを挟んで14番パー4では95ヤードのフォローを52度で打つと、ピン奥からバックスピンでショットインイーグルをゲット。前半を2アンダーで折り返します。後半もショットが安定し3番と5番のパー5できっちりバーディを奪い4アンダーの68でプレーし、トータル5アンダー暫定6位タイで終えました。
ショット力の高さを見せた桑木選手ですが、15番パー5は2オンするも3パットのパーにするなどチャンスを生かせなかったホールもありましたので、そこは伸び代があるということでしょう。
桑木選手は、ボールをブリヂストン「ツアーB XS」から新しくなった「ツアーB X」へとチェンジしたことで、スピン量が減りドライバーの飛距離、曲がり幅、風に負けないアイアンショットの弾道と大きく変貌を遂げています。実はイエローカラーのボールを使う桑木選手は、昨年終盤には白い新ボールは手に入れていました。データ上の数値は良好だったのですが、イエローカラーのボールは年明けにならないと手配できないという理由から、白のボールは使用せずにシーズンを終えていました。
オフから待望のイエローの「ツアーB X」を使い始めたことに加えて、ティーアップの高さを高くしたことで軌道がややアッパーに振れるようになり、飛距離は大幅に伸び、曲がり幅と風の影響も最小限になっています。
そして、初日のパーオンは18ホール中8ホールのみでしたが2バーディ1ボギーとアプローチとパットで耐えられたこと、中止になった昨日の練習場で「インサイドアウト気味になっていたクラブ軌道をアウトサイドイン軌道に修正できた」と持ち前のフェードを取り戻せたことでショットが復調したとラウンド後の囲み会見で話しました。
ドローが強くなり過ぎるミスがあった鈴木愛、小祝さくら選手もフェードを打ち、ドローの曲がり幅を修正したと話していましたので、桑木選手も自分の持ち球にマッチしたクラブ軌道に修正できる力がついてきたようです。
最後に5アンダー2位タイからスタートした竹田麗央選手は、5連続バーディを含む7バーディ2ボギーの67とスコアを伸ばしトータル10アンダーで暫定首位に立っています。
おとといの初日はドライバーがバラつくシーンが見られていましたが、「風が強いとリズムが速くなりがちなので、ゆったり振ることは意識していました」とラウンド後の会見で修正点を教えてくれました。風の中での「コントロールショットも球を低く抑えて風に負けない球が打てた」と持ち前の飛距離の出るドライバーにアイアンのキレも加わり最終日を単独首位で迎えそうです。
午後スタート組の上位はディングチャンピオンの穴井詩が12番を終えて9アンダー、川岸史果が8アンダー、野沢真央と岩井千怜が6アンダー、櫻井心那、森田遥が5アンダーへとスコアを伸ばしています。竹田麗央選手の初優勝なるか、明日も現地からのレポートをお届けします。(暫定順位とスコアは15時50分現在)
写真/岡沢裕行