「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけてきたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はパターの操作性について解説してもらった。
画像: マニュアルタイプとオートマチックタイプ、スコアを作れるパターはどっち?(写真はイメージ)

マニュアルタイプとオートマチックタイプ、スコアを作れるパターはどっち?(写真はイメージ)

マニュアルを真剣に打つことがパター上達につながる

みんゴル取材班(以下、み):週刊ゴルフダイジェストで連載中の漫画「とんぼ」で主人公のとんぼちゃんが使っている「TPA18」に刺激を受けて、PRGRのL字マレット「シルバーブレードα02」の中古を思わずポチってしまいました。ところがプロに「動きが敏感すぎて、芯も狭いし、難しいんじゃないの」みたいなことを言われて、少しショックを受けています。

宮城:「TPA18」はいま使ってもかなりいいパターですよ。勘違いしている人も多いのですが、一番鈍感で芯が広いのはL字です。昔、ジャンボさんの使っていた「IMG5」のヘッド慣性モーメントを測ってみたら「ホワイト・ホット2ボール」より大きかったことがあります。長いネックがヒールについているからです。ジャンボさんがフェースのヒール寄りで打っていたのも、センターからヒールの間で打ちさえすればすべてナイスパットになったからです。「TPA18」や「シルバーブレードα02」、オデッセイの「#9」なんかはマレットなのでさらにミスに強いパターです。

み:なるほど、「シルバーブレードα02」はそんなに難しくないわけですね。少しほっとしましたが、ショックから完全に立ち直れるようにL字マレットのよさについてもっと教えてください。

宮城:L字の特色は球がつかまりすぎないところです。「#9」をエースにしていた石川遼もそうですが、パッティングをショットの延長と捉えていて、自分で球をつかまえていきたいタイプにマッチします。

み:ミスに強いけれどマニュアル的に操作できるわけですね。スコアメイクを考えた場合、マニュアルタイプとオートマチックタイプのどちらがいいのでしょうか?

宮城:フェースの開閉でタッチを作れるのがL字マレットの長所です。ネオマレットのようなオートマチックなパターだと、今日はパットが入ったか入らなかったかで終わってしまいがちですが、マニュアルタイプでカップには入らなくても距離がいつも合うように打てるように練習すれば、おのずとラインもわかってきます。これからパッティングの技術を磨いてスコアをよくしたい人にはマニュアルをおすすめします。L字に近いのはスラントネック。アンサータイプはシャフトがセンターに近いところを指すのでセミオートマチックといった感じです。オートマチックはパター任せになりがち。マニュアルで真剣に打つことがパター上達につながります。

み:せっかく手に入れたシルバーブレードでしばらく練習してみます。

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