会場となる熊本空港カントリークラブは、例年通りフェアウェイが硬く、また硬く仕上がったグリーンでラフからのショットやミスショットでは簡単にピンに寄せられないコンディションになっています。
今日注目したのは、地元の大声援を受け初優勝を目指す竹田麗央、ディフェンディングチャンピオンチャンピオンの岩井明愛、そして山下美夢有選手の最終組です。
硬いフェアウェイはアイアンのソールを弾くため距離感が難しくなりますし、硬くて速いグリーンは奥からのアプローチやパットでカップをオーバーするシーンが散見されました。そのなかでディフェンディングチャンピオンの岩井明愛選手は、5バーディノーボギーの危なげないゴルフで連覇に向けて最高の滑り出しをしました。
21年の今大会で初優勝を飾った山下選手は、「まだショットの調子はいまひとつ」とはいうものの、6バーディ3ボギーの3アンダーと首位から2打差で終えています。山下選手の調子のバロメーターでもあるピタリと決まるフィニッシュが見られるようになってきているので、ショットの調子は上がってきています。パットもタッチは合っていますし、惜しいパットもいくつもありましたのでこのまま優勝争いに加わって来るでしょう。
竹田麗央選手は、17番で3オン3パットのダブルボギーもあり2バーディ1ボギー1ダブルボギーの1オーバー41位タイで初日を終えました。岩井明愛選手をもオーバードライブする相変わらずの飛距離に感心しますが、飛距離が出るだけにこのコースでは方向がわずかにずれただけでトラブルになるケースもありました。明日以降地元の声援を力に変えて巻き返して来るでしょう。
ここでは、山下選手はドロー、岩井明愛選手はドローからストレート、竹田選手はフェードと三者三様の攻め方が見えた13番パー3を紹介します。このホールはやや打ち上げでグリーン左手前に大きな木があり、ピンが左に切られるとフェードヒッターには難しくなるホールです。
初日のピン位置は手前から22ヤード、左から9ヤードと真ん中より少し奥の右サイドに切られていました。フェードヒッターの竹田選手はピンの右手前10メートルほどに乗せて2パットのパー。
「ストレート目でピンを狙った」という岩井明愛選手は、ピンの右横4.5メートルに付け、曲がり幅の少ないフックラインを見事に決め、スコアを伸ばしました。
山下選手は、完璧なドローボールでピン手前1.5メートル弱に乗せ、バーディパットをしっかりと決めました。ドローヒッターにとってはイメージの出しやすいピン位置でもフェードヒッターの竹田選手にとっては無理にピンを狙うシチュエーションではありません。難なくパーでこのホールをこなし、次のホールへと向かう姿が印象的でした。
この13番ホールだけでなく、ガツガツ攻めると簡単にボギーを叩いてしまうコンディションとコースセッティングになっているので、自分の持ち球に合わせてホールごとのマネジメントを考え、18ホールをコツコツと3日間の積み重ねることが上位進出のカギになりそうです。
最後に股関節のケガのため今大会を最後に治療のため活動を休止する植竹希望選手は、パットのラインを読む際にも股関節をかばうようにな仕草を見せていました。
「いずれ手術が必要になるなら、まだ若い今のうちに受けよう」とリハビリも含めて数カ月は時間がかかるようです。しっかりと治療して来季には元気な姿を見せてくれるはずです。
明日2日目の天候は曇りのち晴れ、気温は24度まで上がる予報です。多くのギャラリーを沸かせるプレーが見られることでしょう。
写真/中村修