オフで手にした“新しい武器”
臼井と言えば、果敢にバーディーを狙い攻めのゴルフを展開する選手だ。「バーディ狙いは今も変わりません。アクサの会場だったUMKカントリークラブはグリーンが広いんですけど、バーディ狙いなのでピンをしっかり狙っていました。外しちゃいけないところは外さないようにするし、マネジメント的に狙っちゃいけないときはきちんとサイドを狙いますけどね」「最近はハイスコアの戦いが多いですけど、バーディ合戦は選手にとっても楽しいです。見ている人たちもバーディが出たほうが楽しいと思うし」。
オフの間は小さく強いスウィングに取り組んだほか、トレーニングに力を入れたという。
「体が硬いので、周りから見るとそこまでではないんですけど、自分にとってはオーバースウィングになっていて。シードを取った2019年は250ヤード弱飛んで、夏は260ヤードくらい飛んでいたのもあるし、プレースタイル的に飛ばしたい気持ちが強かったんです。そこを無理せず自分の可動域で振るように修正しました」
「オフの間は食べた瞬間に寝るのを繰り返して4キロ増やして、8割は上半身のトレーニングに割きました。今まで下半身が強すぎて上半身がついてこなくて、振り遅れとか多かったんです。でも、適度な重さで回数を重ねるトレーニングをしたお陰で、下半身に上半身がついてきている感じがします」
トレーニングや増量を経て、球が変わったことも実感しているようで、「筋肉量が増えて体重も増えて、人生最高の体重になりました。そのおかげか球の重さも変わったので、やはり体重で変わるのかなって思います。ヘッドスピードも44m/sくらい出ていて、2019年飛ばせていたころに戻ってきた感じです」と、シードを獲得した当時に劣らないパワーと飛距離を取り戻しているようだ。
優勝を飾った臼井には、今年と来年のシードが確約されている。「リランキングが関係しなくなったことは大きいです。全部出られることでトレーニングも増やせるので。ツアーでは体のコンディションを維持することが一番大事なので、たまに休みの週を作って週3、4日トレーニングをしたいなと思っています。もともと痩せやすい体質で、1年目でルーキーのときはツアー後に5キロも瘦せていましたが、今年は違うと思います。わたしにとっては体重が大事。重さが武器になります」。
オフの間にスウィング、肉体とも改造に取り組んだ臼井。パワーアップした“重さ”と果敢にバーディーを狙う攻めのゴルフを武器に、2勝目を挙げる日も近いかもしれない。
初優勝の勝因について語ったインタビューは、2024年4月23日号の「週刊ゴルフダイジェスト」とMyゴルフダイジェストにて掲載中!