10時過ぎからは晴れ、気温は21度という絶好の天候のなか、選手たちは硬いフェアウェイと速さが11フィートと速く、硬いグリーンに苦しめられました。特にショートアイアンやウェッジでピンを狙うショットで硬い地面にソールが跳ね返され、ピンをオーバーするシーンが散見され、距離感を合わせる難しさが見て取れました。
午後からは風も出てグリーンは乾き、スピードも上がっていたように見えましたし、カットラインが2オーバーになったこともコースコンディションの難しさを示しています。スコアボードを見てみると、初日を1オーバーで出遅れていた竹田麗央選手が66、高橋彩華選手が69、岩井明愛選手も69とスコアを伸ばしましたが、ビッグスコアといえるのは竹田選手と67でプレーした鈴木愛選手の二人しかいませんでした。
上位陣がスコアを伸ばしあぐねている要因を探してみると、フェアウェイとグリーンの硬さ以外にも2つ考えられます。
会場となる熊本空港CCは、右ドッグレッグが3ホールに対して左ドッグレッグ6ホールと上位陣の顔ぶれを見てもドローヒッターが有利なコースといえそうです。そして200から220ヤード付近にバンカーが配置され、ティーショットで3Wや5Wを選択する場面も多く見られます。
例えば、左ドッグレッグの5番ホールで岩井明愛選手はティーショットを5Wで打ち、147ヤードを8番アイアンで3メートルにつけ今日最初のバーディを奪いました。対して一組前の桑木志帆選手はドライバーで、宮田成華と村田理沙選手は3Wで左の林へ打ち込み3人ともボギーとし流れを悪くしていました。
もう一つはパッティングです。グリーンに大きな傾斜がない代わりに微妙なアンジュレーションが散りばめられています。この2日間、岩井明愛選手のショットは完璧と言ってもいいくらいでしたが大きくスコアを伸ばすことができていないのは、どの選手も苦労しているグリーンの微妙なアンジュレーションにあります。
脇元華、小祝さくら選手もショットは好調ながらも、チャンスのパットやアプローチで寄せたパットを決めきれずに岩井明愛選手との差を詰め切れていませんでした。
これらのことから熊本空港CCの攻略法は、ビッグスコアを狙わずにパーを重ね、パー5や短いパー4でチャンスメークをし、コツコツと積み重ねることになりそうです。
明日の予報は晴れで気温も25度、風も穏やかとのことで、フェアウェイとグリーンの硬さに対応した距離感、自分にとってのバーディが狙えるホールとパーで良しとするホールのマネジメント、微妙なアンジュレーションのパッティングこの3つを上手くコーディネートできた選手が優勝をつかむと予想しています。
最有力は岩井明愛選手だと思いますが、竹田麗央、脇元華、桑木志帆、小西瑞穂といった初優勝を目指す選手。今季2勝目を狙う小祝さくら選手、通算2勝目を狙う高橋彩華、尾関彩美悠選手がどんなプレーを見せてくれるのでしょうか。最終日も現地からのレポートをお届けします。