9位タイまでの上位12名中すでにメジャーを獲得しているのはシェフラーを除くとコリン・モリカワ(3位タイ)、ブライソン・デシャンボー(6位タイ)、キャメロン・スミス(6位タイ)の3人。
そして次にメジャーに勝つと目されているのは3位タイのトミー・フリートウッドとマックス・ホーマ、単独8位のザンダー・シャウフェレ、9位タイのウィル・ザラトリスらだ。
フリートウッドはアメリカで勝っていないのがツアーの七不思議のひとつで、メジャーではこれまで全米オープンでトップ5が3回、全米プロはトップ5が1回、全英オープンでは19年に2位が最高。欧州ツアー7勝の実力者はいつメジャーに勝ってもおかしくない。
米ツアー6勝のマックス・ホーマはメジャーで苦戦することが多かったが昨年の全英オープンでトップ10入りするとマスターズでも3位タイとここにきて上昇気流に乗っている。
「メジャーに勝つことが最大の目標」という東京五輪金メダリストのシャウフェレはメジャー出場27回のうちトップ10入りが12回と上位争いの常連。
特にマスターズではタイガー・ウッズが優勝した19年に2位タイ、松山英樹が勝った21年に3位タイとあと一歩のところまで迫っている。清々しいスポーツマンシップの持ち主には「グッドルーザー」といううれしくない愛称も。ネクストメジャー候補の期間が長いとプレッシャーがかかり勝つのが難しい局面もある。
ウィル・ザラトリスが21年のマスターズで松山に1打差の単独2位に入ったのは記憶に新しい。ここ1年は腰の故障(手術)で苦しんだが復帰後ジェネシス招待で、またも松山に一歩及ばず2位タイに食い込んでいる。
19歳で出場した全米プロでタイガー・ウッズと優勝争いを演じ2位に入ったセルヒオ・ガルシアはすぐにでもメジャー制覇してもおかしくないといわれ続けながら、実際勝つのには17年のマスターズまで待たなければならなかった。
世界ジュニアでガルシアを破り優勝している宮里優作はガルシアのマスターズ制覇をこう表現した。「時が来れば勝つときは勝つ。そういうタイミングがあるものなのですね。ガルシアを見てそう思いました」と。
メジャー覇者候補と呼ばれながらタイトルを獲るまで時間がかかる選手もいれば、あっという間に勝つ選手もいる。
今回単独2位に入ったラドビッグ・アバーグは後者に入るとみており、初メジャーで準優勝した彼は勢いのあるうちにタイトルを獲得しそうだ。大器の雰囲気を醸し出す彼が全米プロでトロフィーを掲げる姿は容易に想像できる。