3月末のDPワールドツアー、ヒーローインディアンオープンでの優勝後、帰国してインタビューに答えてくれた中島は「日本で今年プレーするのはおそらくこの試合だけの予定なので、たくさんの方に見に来てほしいですね。でも昨年と比べて体もそこまで大きくなっていないですし、ゴルフもそこまで変わってないと思いますから(笑)。でも昨年日本ツアーにいるときよりは明るくなったと思うので、キャディさんと楽しく会話しながらプレーしている姿も見てください」とお茶目に話をしていた。
それをチェックしに初日のラウンドに付いた記者は、あまり笑わない中島に「クール作戦でいくのか……」と思いつつ、ひと回り太くなったように見える太ももや、前より遠くに飛ぶボールを見て、「体もゴルフもやっぱり成長しているじゃない!」と突っ込みを入れながら観戦。
数々のドラマを生んだ18番(525Y・パー5)も、ティーショットを残り157ヤードまで飛ばし、2打目を9番アイアンでグリーンオン、イーグル逃しの楽々バーディ。
さすがのプレーぶりに感心しながら歩いていると、JGAナショナルチームのヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズ氏、メンタルコーチのニール・スミス氏を発見! この大会前にも千葉でナショナルチームの合宿を行っていたとのこと。初日だけ”教え子“たちの活躍や状態を見て、本日オーストラリアに帰国するというガレス氏に最近の中島について聞いてみた。
「世界で活躍する習慣や能力はしっかり高まっている。準備も整ってきている。もちろん、英語もしっかり使って話をし、生活も、ツアーに馴染むこともできている。Future Is Now!」とのこと。
ラウンド後のインタビューで中島は、「すごく緊張しました。でも楽しくもできました」とほっとした表情を見せ、「予選落ちするわけにはいかないと意識していました。『週末見に行くからね』と言ってくださった方もいて」と”クールラウンド“の理由が判明。
「今日はボギーフリーでよかった。飛距離は昨年末と比べキャリーで10ヤードくらいは伸びました。目の前のボールをインポジションに運んでいくことだけを意識しました」と、シュッとした表情で話をする。
「『目の前の一打にコミット』と、キャディの(岡崎)錬さんと最近ハマっている愛言葉で毎ホール言っています。インターバルでも調子に乗らないように言いますね」。
これはガレスコーチとニール・スミスコーチとラインでやりとりしていてアドバイスを受けたという。
「インドで2打差があって体がフワフワしてしまうときがあって、緊張もしていますという話をしたら、勝つことはそんなに重要ではなくて、目の前の一打にコミットして成功を続けることが大事と」
スミス氏はもともとはハイジャンプの選手でオリンピック候補でもあったという。その後、ゴルフに転向、倉本昌弘とQスクールで戦ったこともあるほどで、選手としても10年活躍。アメリカの大学でスポーツ心理学の学位も取得。プレーヤー感覚も持ち合わせるメンタルコーチとして1年半前にナショナルチームに関わるようになったそう。
協力なサポートを得て、日々準備し続ける。啓太は御殿場でも「JKG」だ。