ドライバーヘッドのネック部分を見ると、ロフト表示の横にT230とある。確認のため、R&Aのコンフォーミング(適合)ドライバーヘッドリストを見ると、確かに〝ZX5 MkⅡ LS Driver T230〟があり、ロフトは9.5度のみ。リストには〝ZX5 MkⅡ Driver T226〟と同ヘッドの〝T237〟というモノもあった。
"T"とはおそらくツアーの頭文字で、それぞれ微調整を加えたヘッドなのだろう。昨年10月のZOZOチャンピオンシップで撮影した時には、T230の文字がないZX5 MkⅡ LSだった。同モデルの中で常にコンディションやコースに合わせた最適な1本を選んで使っていることがわかる。
シャフトは変わらずツアーAD DIー8のTXフレックス。Qi10の3Wとコブラの5WもDI。グラファイトデザインのツアー担当・高橋さんに確認すると、「セッティングの写真では、3Wもオレンジ色ですが、試合では黒いコスメのDIを使っています。Qi10を投入した際、構えた時にヘッドの見た目とシャフトのオレンジのコントラストが少し気になるとのことで、中身は一緒の黒バージョンにスイッチしました。ジェネシスでの優勝も、テキサスOP、マスターズも3Wは黒バージョンシャフトでした」
さらに(セット写真の)3本のウッドを見ると、シャフト先端に入る〝ACCURACY & DISTANCE〟のロゴ位置の高さが明らかに違う。これについて、「ドライバーはノーカット挿しですが、3Wは1.25インチのチップ(先端)カット、5Wは1.75インチのチップカットです。DIの9と10を普通に組むと構造上、しなりを大きく感じやすいのでフィーリングを揃えるための調整です。それがロゴの位置に表れています」。ちなみにDIの黒バージョンはアメリカでのみ発売中。
Qi10の3Wは今季から使っているが、現場の担当いわくスリクソンZX MkⅡの3Wなど別モデルを使うケースもあり、昨年の全英オープンではそのZX MkⅡでプレーしていた。
5Wはコブラのラッドスピード ツアー。前述のようにシャフト先端1.75インチカットで組んでいる。長さは40.5インチ。ロフトは17.5度だが、撮影時はネック調整で+1.5度。さらにシャフトの先端とグリップ側に鉛をひと巻きずつ。こうした微調整を積み上げて、振り心地と弾道を整えているわけだ。
アイアンはスリクソン ZフォージドⅡを長く愛用しているが、シャフトの仕様を変えることもあり、それに合わせてヘッドも微調整しているという。ちなみに今のアイアンのシャフトフレックスはXではなくS400。これも特徴のひとつ。
クリーブランド RTX4フォージドプロトは52・56・60度の3本。「ソール後方のバウンスを落として、硬めのライでもフェースを開きやすくしています」とダンロップ担当者。写真を見る限り56と60度のソールグラインドが顕著だ。パターはスコッティキャメロンのニューポートⅡタイプのプロト。ソール全面には鉛が綺麗に貼られている。
次のメジャーは全米プロ(5/16~19・バルハラGC)、活躍に期待!
松山英樹のクラブスペック
1W/スリクソン ZX5 MkⅡ LS(9.5+1度)・ツアーAD DI-8(TX)
3W/テーラーメイド Qi10(15度)・ツアーAD DI-9(TX)
5W/コブラ ラッドスピード ツアー(17.5+1.5度)・ツアーAD DI-10(TX)
4I~PW/スリクソン ZフォージドⅡ・DGツアーイシュー(S400)
AW・SW・LW/クローブランド RTX4フォージドプロト(52・56・60度)・DGツアーイシュー(52/S400・56 60/X100)
PT/スコッティキャメロン ニューポート2プロト
BALL/スリクソン ZスターXV
※スペックは編集部調べ
※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月7・14日合併号より(PHOTO/Blue Sky Photos)
※2024年4月27日19時10分、一部加筆修正しました。