ウッドのように、ヘッドの内部が空洞になっている中空アイアン。「打感がイマイチ」という理由からツアープロを含め上級者からは敬遠されていたのは今や昔。各番手で最適な重心設計が可能な“中空アイアン”を使用している選手も増えている。ということで、2024年5月28日号の「週刊ゴルフダイジェスト」ではプロも使う“中空アイアン”の中古価格などを調査。その一部を「みんゴル」でもあ紹介しよう。

中空アイアンの歴史は実は古く、19世紀末には「スプリングフェース」と称して、ヘッドの内部に、当時のゴルフボールと同じ「ガッタパーチャ」という木の樹液を詰め、フェースをビスで留めたアイアンも考案されていた。しかし、当時の技術では目立った効果は得られず、自然と姿を消していった。

現代に中空アイアンがよみがえるのは1980年「フォーティーン」の創始者、竹林隆光氏が、「グランド・シルバード」を開発。重心が深くなるためボールは上がりやすく、ヘッドの背面にボリュームを持たせることで、ウッドのように上下のミスにも強かった。

画像: 「フォーティーン」の創始者、竹林隆光氏が当時、在籍していた横尾製作所から1980年7月に発表した「グランド・シルバード」が現代中空アイアンの祖

「フォーティーン」の創始者、竹林隆光氏が当時、在籍していた横尾製作所から1980年7月に発表した「グランド・シルバード」が現代中空アイアンの祖

それから8年後、竹林氏設計のプロギア「インテスト」が発売。ヘッドは大きく、ソールはかなり幅広。赤茶色のヘッドから「タラコ」の愛称で大ヒット。複合カーボンヘッドのロングアイアン「LX」、ステンレス中空ヘッドのミドルアイアン「MX」、ステンレスヘッドのショートアイアン「SX」からなり、今でいうコンボアイアンの先駆けで、単品でも購入できた。その飛びとやさしさから国内男子ツアーで使用する選手が続出。

画像: 竹林氏が設計したプロギア「インテスト」。「LX」はステンレスとカーボンのコンポジットヘッドで、その赤茶色から「タラコ」の愛称で大ヒット

竹林氏が設計したプロギア「インテスト」。「LX」はステンレスとカーボンのコンポジットヘッドで、その赤茶色から「タラコ」の愛称で大ヒット

そして2002年。全英オープンで優勝したアーニー・エルスのバッグには、フォーティーン「HI ‒8
58」という2番アイアンが入っていた。

画像: ユーティリティではなく#2~SWのアイアンセットとして設計されたフォーティーン「HI-858」。2002年の全英オープンでアーニー・エルスが2番アイアンを使用して優勝

ユーティリティではなく#2~SWのアイアンセットとして設計されたフォーティーン「HI-858」。2002年の全英オープンでアーニー・エルスが2番アイアンを使用して優勝

今では当たり前のように多くのプロが中空アイアンを使っている!

中空アイアンの流れを変えたタイトリスト「716 T-MB」

やさしく球が上がって飛距離も出るが、見た目がぽってりしていて打感や打音もしっくりこない。ともすれば異端扱いされることも多かった中空アイアンだったが、その流れを変えたのが2015年発売のタイトリスト「716 T-MB」。「MB」の名の通りマッスルバックのような見た目でアダム・スコットやジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマスらトップ選手がロングアイアンを愛用したことで中空アイアンが再び脚光を浴びることになる。現在では「T200」「T350」がその役割を果たしている。

【2015年発売】アダム・スコットが使用して2016年に“2勝”「716 T-MB」/※中古価格:在庫なし

画像: 2016年3月のWGCキャデラック選手権で優勝したときのアダム・スコットのクラブセッティング

2016年3月のWGCキャデラック選手権で優勝したときのアダム・スコットのクラブセッティング

各番手別に内部のトウ、ヒール部にタングステンウェイトを配置し、ロングアイアンでは高い打ち出し角度とミスヒット時の高い許容性を、ショートアイアンでは優れたスピンコントロール性を発揮。

【2017年発売】ジョーダンスピースが2017年“全英オープン”で使用「718 T-MB」/※中古価格:4万7980円~6万4980円(単品/1万3980円~1万6980円)

画像: 優勝した17年全英オープンで「716T-MB」(#3)と「718T-MB」(#4)の2本を使用した

優勝した17年全英オープンで「716T-MB」(#3)と「718T-MB」(#4)の2本を使用した

高比重タングステンとボール初速を高める薄いフェースを採用した中空構造。ツアーが認めるヘッドデザインでありながら、飛距離性能を高め、同時に許容性の向上とソリッドな打感を実現。

【2021年発売】トム・キムが23年シュナイザーズチルドレン優勝時使用「T200」/※中古価格:5万9980円~9万2980円

画像: 23年シュライナーズチルドレンズオープンで優勝したトム・キムは「T200」#3を使用

23年シュライナーズチルドレンズオープンで優勝したトム・キムは「T200」#3を使用

2019モデルよりやや小ぶりになり、シャープで伝統的なツアーモデル形状と、高い許容性とボール初速を生み出す先進のデザインを採用。より一貫性のある高い飛距離性能を発揮する。

【2023年発売】ニック・テーラーが2024WMフェニックス優勝時に使用「T200」/※中古価格:10万6000円

画像: 今年のWMフェニックスオープンで優勝したニック・テーラー(#4)のほか、キャメロン・ヤング(#4)、アン・ビョンフン(#3)、LPGAではパティ・タバタナキット(#4)、国内男子でも阿久津未来也(#5)、前田光史朗(#5)らが使用中

今年のWMフェニックスオープンで優勝したニック・テーラー(#4)のほか、キャメロン・ヤング(#4)、アン・ビョンフン(#3)、LPGAではパティ・タバタナキット(#4)、国内男子でも阿久津未来也(#5)、前田光史朗(#5)らが使用中

ツアープレーヤーが好むヘッド形状で打感と打音がさらに向上。高密度タングステン、抜けの良い新ソールが許容性と安定性を向上させ、グリーンで止める力を妥協することなく大きな飛びを提供。

【2023年発売】“今季好調男”ウィル・ザラトリス使用「T350」/※中古価格:11万8000円~12万9000円

画像: ウィル・ザラトリスは男子としては珍しく「T350」の#3をロングアイアンとして使用

ウィル・ザラトリスは男子としては珍しく「T350」の#3をロングアイアンとして使用

まったく新しいマルチマテリアルの中空ボディ構造は、より大きな安心感と許容性を生み出すため
の新設計。ツアーアイアンのフィーリングを強く持ちながらも、最大限の飛距離と許容性を提供。

※中古価格は【GDOゴルフショップ中古クラブ】の2024年5月8日現在のもの。商品状態やシャフトによって価格が異なる場合があります

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※テーラーメイドやスリクソンなど、中空アイアン特集の続きは2024年5月23日号「週刊ゴルフダイジェスト」、もしくはMyゴルフダイジェストにて確認を!

PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Blue Sky Photos、Tomoya Nomura

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