全米女子オープンで日本勢が躍動。笹生優花が21年に続く2度目の戴冠を果たし、今季絶不調だった渋野日向子が単独2位に入る1&2フィニッシュの快挙を達成した。

前回、畑岡奈紗をプレーオフで破り19歳(最年少タイ)で優勝したときはフィリピン国籍だったが今回は日の丸を背負っての勝利。

表彰式では「前回は母(フィリピン人)への恩返し、今回は父(日本人)に恩返しができました」というと堪えきれず涙を流し両親への感謝の言葉を口にした。

画像: 全米女子オープンを制した笹生優花(写真/Getty Images)

全米女子オープンを制した笹生優花(写真/Getty Images)

ここ3年優勝がなく「もう勝てないのでは、と思ったこともある」が今回は上位が総崩れするなか「優勝を意識せずいつも通りのルーティンで目の前のショットに集中」。バック9で4つのバーディを奪い3打差の勝利をもぎ取った。

「他の選手がどんなプレーをしているのかリーダーボードを見ていなかったのでまったくわかりませんでした。見る余裕がなかったので(笑)」

ただ心の中にあったのは「どんな結果になろうと僕は君を誇りに思う」といってくれた相棒バレクウェットキャディの言葉だった。

1つ後ろの組の渋野は笹生の実質的なウィニングパットを18番フェアウェイから見届けると両手を挙げ大きなジェスチャーで拍手。ラウンド後には笹生の元を訪れ笑顔でハグ。スポーツマンシップ溢れる微笑ましいシーンだった。

「すごく緊張した1日でした。なかなかバーディも取りきれず、3パットもあったし短いパットを外して悔しい気持ちがありますが、やり切った気持ちの方が大きい」と単独2位の渋野。

「これまでの成績(ポイントランク138位)を考えたら本当にこの結果って考えられないこと。どうしてこの位置で終われたのかわからないけれど、勝ちたかった気持ちもありました。これでまた頑張れる理由ができたな、と思いました」

2億円超えの賞金の使い道を聞かれると笑いながら考えたあと「優花に何か奢ってもらいます」としぶこスマイル全開。なお笹生は240万ドル(約3億7千万円)を獲得している。

日本勢がトップ10に5人入り日本旋風が吹いた今大会。優勝候補ナンバー1のネリー・コルダが予選で姿を消すなか大会を盛り上げたのは日の丸を背負ったなでしこたちだった。

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