はぎわら・なのか。名門日本大学ゴルフ部に所属して腕を磨き、ベストスコアは75。学生時代から週刊ゴルフダイジェストなどに登場。大学卒業後はライムライト所属のフリーアナウンサーとして活動中。
福岡を拠点に活動中・古川龍之介
今回、燃えに燃えている選手がいるので紹介します! それはプロ2年目の古川龍之介選手。先週の太平洋クラブチャレンジで紹介した新村駿選手と日大の同級生で、大学4年時はキャプテンを務めました。なぜ、今大会で燃えているのかというと、会場である福岡雷山ゴルフ倶楽部を練習の拠点としているから。「優勝して雷山に恩返しをしたい」とのコメントをもらいました。
そんな古川選手は大学3年時にマッチプレーの「日本学生ゴルフ王座決定戦」で優勝していますが、大学4年時に出場した日本アマでは3日目に2位に2打差の首位に。最終日最終ホールまで首位タイで迎えるも、逆転負けを喫します。また、昨年のこの大会では最終日に一時独走態勢を築きますが、後半大きく崩れて、最後のバーディパットが決まらずプレーオフ進出を逃すなど、本人も自身の改善点に「勝ちきれなさ」を挙げています。
詳しく聞くと、「実は、競技人生で複数回あるプレーオフで一度も勝てていないですし、日本アマや昨年のこの大会でもいいとこまでは行くのですが、抜け出せなくて勝てない……。いま悩んでいるのはリーダーボードを見るべきか、見ないべきかという問題です。レギュラーツアーなら選手1人につき1人のキャディさんがいるので、自分で見なくても聞けるんですがABEMAツアーではそれができない。昨年でいえば、5打差がついてたときにあえて見ていなかったので知らなかったんですが、11番ホールでトリを叩いたときに知っていれば、もしかしたらその後の3つのボギーを回避できたかもしれないなと。最終ホールでボードを見て、『これを入れたらプレーオフ』ということを知って、余計プレッシャーがかかってしまって」と悩みを吐露してくれました。
でもプロ2年目のいま、この経験をしていれば、今後のツアーで大化けの可能性があると私は思っています。6年前に購入し、手放せない1本となっている『オデッセイ ホワイト・ライズiX パター #1SH』は、イ・ボミ選手が賞金女王のときに使用していたモデル。「他のプロが使用しているパターに比べると化石みたいなものです(苦笑)。でも、新しいモデルを試しても、どうしてもここに戻ってきてしまうんです」と話す相棒と一緒に、勝ち切るゴルフをお世話になっている人たちの前で見せられるか、注目したいです。
16年ぶりの下部ツアーへ登場・池田勇太
池田勇太選手の下部ツアー出場は2008年9月の「トーシンチャレンジ」が最後なので、約16年ぶりということになります。
当時、10試合で実施されていた下部ツアーの5試合目「エバーライフカップチャレンジ」で優勝。結果的に下部ツアー最後の試合となった9試合目「トーシンチャレンジ」や6試合目「静ヒルズトミーカップ」で2位に入るなど、最終戦「PRGR CUP FINAL」を前に、ルーキーとは思えない強さで下部ツアー賞金ランク2位に。当時の記事を読み返すと、本人も下部ツアーの賞金王を狙っていたようですが、同年10月にマンデー予選から出場したレギュラーツアー「コカ・コーラ東海クラシック」で2位に入り、その後、「日本オープン」で15位タイとレギュラーツアーでも実力を発揮します。目標だった「PRGR CUP FINAL」と同じ週に実施されたレギュラーツアー「ブリヂストンオープン」に出場すると9位タイに入り、初シードを当確。それ以降、シード権を守り続けてきたわけです。
ところが、22年6月頃から首や足、顔などに痛みが出始め、だましだましツアーに出場してきましたが、「顎偏位症(がくへんいしょう)」だったことが判明します。22年、23年と痛みとともに試合に挑んできましたが、昨年、デビュー後、初めてシード権を逃します。
そして、歯やあごの骨などを削る2年がかりの手術が3月にようやく完了。本格的に練習を再開したのは1カ月前といいますが、先々週のミズノオープンでは、初日、2日目をともに「69」で回り、5位タイの位置で週末を迎えました。3日目、4日目と崩れて、最終的には47位タイとまだまだ完全復帰ではないのですが、さすがの成績です。
今週と、来週の「LANDIC CHALLENGE 11」に出場予定とのことですので、現地に近い人は是非会場へ、仕事などで厳しいという方はABEMAで、復活を期す池田選手の雄姿をご覧いただきたいと思います!
なお、古川龍之介選手、池田勇太選手は中里光之介選手と一緒に12時55分に10番ホールからスタートです。
注目選手が目白押し!
ABEMAツアーは福岡県で3試合実施するのですが、4月の「i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘」と今回の「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」、そして来週の「LANDIC CHALLENGE 11」の3トーナメントの賞金総額が当初の1500万円から1800万円に増額されています。そして、その4月の大会を優勝した大嶋港選手が現在の賞金ランク1位!
ところで、その大嶋港選手は兄弟全員が「日本アマ」出場歴がある4兄弟の4男。今回は宍戸ヒルズCCで開催されるBMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ出場のため、欠場していますが、3男・宝選手は福岡雷山GCに来ています。
また、兄弟でいえば、東北福祉大で米澤蓮選手や杉原大河選手の同期だった黒川逸輝・航輝の両選手(双子です!)が揃って参戦。さらに、昨年シニアデビューを果たしたツアー1勝の増田伸洋選手の出場と、23年日本プロシニアなどで増田選手のキャディをしていた長男・康輔選手がツアーデビュー! そして、ツアーデビューといえば、「キング・オブ・スウィング」として、世界が認めた伊澤利光プロの長男・丈一郎選手も忘れてはいけません!
ちなみに今大会にキッチンカーで出店しているジェラート店「COCO GELATO(ココ・ジェラート)」。プロ4年目の石塚祥利(しょうり)選手のお兄さん・祥平さんが切り盛りする人気店です! 今回は次男でトップアマでもある祥成(よしなり)さんがお店に立つようです。ちなみに、来週の「LANDIC CHALLENGE 11(芥屋GC)」にも出す予定なのだとか。来場される皆さん、石塚祥利選手の応援の際には、ジェラート片手にお願いします!
昨日実施されたプロアマに出場した選手からは「仕上がっている」と驚きの声が聞こえた福岡雷山ゴルフ倶楽部。そのプロアマでのグリーンスピードは12フィートほどと、レギュラーツアー並み。このコンディションのなか、手嶋多一選手の匠なワザ、池田勇太選手の復活、14歳の中上遼真選手の若さ溢れるプレーなど、是非堪能してくださいね!
取材・写真/萩原菜乃花