100切り達成において、すべてのホールで向き合わなければいけないのがパッティング。「パット数に関しては、ほぼほぼ2パットで収める必要があります」と兼濱は言う。
「パット数の指標は全体のスコアに対して大体4割と言われています。スコア100ちょうどなら40パット、100切り達成となる90台であれば40パット未満が求められます。18ホールをすべて2パットなら36打になるので、多少は3パットする猶予はありますが、ほぼほぼ2パットで収める必要があるんです」(兼濱、以下同)
しかし難しいのが、パット数に影響するのはシンプルにグリーン上のパフォーマンスだけの話ではないということ。「グリーンオンのアプローチでどれだけピンに寄せられているかも、2パットに収めるために重要です」と兼濱は続ける。
「よく話すのは『ピンから10メートル以内の距離は確実に2パットで決めましょう』ということです。逆に言えば、10メートル以上の距離が残った状態で3パットは、そもそもアプローチで10メートル以内に寄せられてないので、パターのミスではないと考えていいですよと普段お伝えしています。これはラウンドの反省点としてアプローチ練習をしたほうが良いのか、パター練習をしたほうが良いのかを判断するための指標ですね」
アプローチもパット数を減らすために大切となれば、当然良い状況でグリーンを狙えるところにボールを運ぶためのショット力があれば、と言う話にも繋がってくる。もちろんひたすらグリーン上でのパッティングを磨いたっていい。要するにパット数を減らす可能性を上げるための道筋は多く、それゆえに「これをすればいいと簡単に言えない、難しい問題なんです」と兼濱。
しかし2パットを現実的なものにする糸口として「先ほどお話しした考え方は大切です」と続ける。
「100切りを目指す方たちは、まず50ヤード以内まで来たら、そこから3打で上がることを目標にゴルフを組み立てられるようになるといいと思います。50ヤード以内のプレーを『ピンまで50ヤード以内のパー3』と考えて、ちゃんとパーで上がれるようにするわけですね」
そう考えれば「50ヤード以内のアプローチをピンまで10メートル以内に寄せること」「10メートル以内を2パットで決めること」という2つの目標が明確になり、取り組むべき練習がはっきりするという。
また、ティーショットやセカンド以降のショットでピンに対して50ヤード以内に放り込めば、そこから3打で上がれるという条件が作れて、50 ヤード以内に運ぶために「まずティーショットではこの番手を持って、セカンドは飛ばしすぎなくてもいいから、少し刻んでいい」といったホール全体でのマネジメントも作りやすくなるとのことだ。
協力/学芸大ゴルフスタジオ