イギリス出身のLIVプレーヤー、リチャード・ブランド(51)が最終日に63の猛チャージをかけ、2位に3打差をつけて17アンダーで優勝したのだ。
ちなみに前日トップタイだったアーニー・エルスは、クリス・ディマルコと共に11アンダーの6位タイ。宮本勝昌は1オーバーの39位という成績だった。
大器晩成という言葉があるが、3年前の21年にブランドは欧州ツアーのベットフレッドブリッティッシュマスターズで初優勝。欧州ツアーの初優勝最年長記録を48歳で打ち立てている。翌22年にはWGCデルテクノロジーズ・マッチプレーで、リー・ウエストウッドやテーラー・グーチを破り、ブライソン・デシャンボーと引き分けるなど、LIVのスター選手たちと渡り合えることを実感したのかもしれない。
この年にLIVに移籍している。移籍後に何度もトップ10入りするなど、シニアのメジャータイトルを獲得して当然の実力を備えていたといえるだろう。
「多くの偉大な選手たちのなかで、自分に彼らと戦える実力があることを願っていた。(勝てたことで)自分自身にもっと先へ行ける自信が持てた。これからもさらに良いことがあると願っている」とブランドは語っている。
LIVにしてみれば、このニュースを宣伝に使いたいところだろうが、残念なことにアメリカでのシニアツアー人気は今ひとつ。
メジャーといっても地上波で中継されたのは、最終日の2時間にとどまり、米シニアツアーの通常大会に至っては、ほとんどがネットのストリーミングでしか見られなくなっている。
最大の理由は「スター選手がいないこと」だといわれるが、もしかすると2年後にシニア人気が盛り返す可能性があるとか。
というのも、タイガー・ウッズがゴルフカートを使えるシニアの大会に出たいとジャック・ニクラスに語ったというからだ。
来年末に50歳になるタイガー。あるいは再来年、タイガーとブランドの戦いが見られることになるかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月18日号「バック9」より