
昨年2000人もの韓国人ゴルファーが来場した茨城県のマナGC
コロナ禍で日本と同様に韓国でもゴルフ熱が急激に高まった。しかし、平地の少ない韓国ではゴルフ場数が極めて少なく、プレー料金が高い。
一方、茨城県には114カ所のゴルフ場があり、平日や閑散期の利用客の取り組みなど、ゴルファーの高齢化やゴルフ人口減少を見据えた対策が課題となっていた。
そこで県はコロナ禍以前から韓国で高まっていたゴルフ需要に着目し、現地の旅行会社などに的を絞り誘客プロモーションを展開してきた。
県内のゴルフ場の魅力や成田空港からの近さをPR、茨城空港からの直行便開通も訴えているが、これはまだ実現していない。
仮にこれが実現すれば、さらに韓国からのインバウンド客は増えることが間違いないだろう。
ともかく、そのプロモーションが功を奏したのか、一昨年には韓国の新聞、雑誌メディアが県内のゴルフ場を訪れ、紹介記事が掲載されたという。
韓国からのゴルファー受け入れ要請にいち早く応じたマナGCでは、
「韓国メディアで紹介された1~2カ月後には韓国代理店から電話が殺到し、ツアー客の申し込みが急増しました」(橋本誠一支配人)
同GCを訪れた韓国人ゴルファーは、22年度はゼロだったが、23年度は1996名が入場し、今年に入り現在もその勢いは継続している。
ゴールデンウィーク期間中こそメンバー利用を優先し、韓国人ゴルファーの来場は断ったものの、それでも4月は約600名、5月の予約数も450名近く入っているという。
一時期ささやかれていた韓国人ゴルファーのマナー問題も特になく、プレーも早いという。
何よりゴルフ場にとってありがたいのは、平日に来場し、それもゴルフ場付帯のホテルやロッジに宿泊し、3泊なら3ラウンドとゴルフ漬けで、すべてゴルフ場におカネを落としてくれることだろう。
同GCでは韓国人ゴルファーの来場が今後さらに増えることを見越し、乗用カートのナビシステムの電光掲示板に韓国語の表記を追加するなど対応を進めている。
「韓国国内のリゾート、例えば済州島でゴルフするより日本でのほうが安い。円安も当分続くでしょうし、昨秋は中止になりましたが、茨城空港へのチャーター便が飛ぶようになれば、もっと増えていくと思います」(ゴルフ場経営コンサルタント、菊地英樹氏)
他県も茨城県の手法を見習ってもよいかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月18日号「バック9」より