進化のめざましい“G4D”
G4Dとは「ゴルフ・フォー・ディスエイブルド」の略で、身障者のためのゴルフのこと。EDGA(欧州身障者ゴルフ協会)による協力のもと、欧州ツアーが2022年に「G4Dツアー」を始めたのを皮切りに、昨年はR&Aも加わって「THE G4D オープン」を開催。今年も5月15日~17日の3日間にわたって同オープンの第2回大会が開かれ、日本を含めた世界19カ国の選手たちがイギリスに集まった。この模様はイギリスの衛星放送でも放映され、グロス、ネット、ステーブルフォードの3部門で身障者の世界ランキングも合わせて発表された。
そんななか、今度はイギリスの13のゴルフクラブが運営する「ゲット・ゴルフィング」という団体が、EDGAと世界初の「G4D女子ゴルフ選手権」をこの8月27日~28日に開催すると発表したのだ。
「このG4D女子ゴルフ選手権は、世界に発信する女性だけの最初の身障者ゴルフイベントになります。記念すべき第1回大会は、障害を持つ女性ゴルファーのためのこれからのトーナメントのひとつの基準になるはずです」と同大会の広報担当者はゴルフビジネス誌に語っている。
G4Dオープンなど、これまでの障害者ゴルフの試合は、男女混合で開催されることがほとんどで、ティーインググラウンドを変えてプレーすることで、1つの試合で男女ごとに競い合っていた。さらに障害の程度や種類によって、立ちポーズあるいはスウィングができる電動車椅子に座ってのプレーなど、さまざまなカテゴリーに分けられている。
あるいは参加者が少ない場合には、こうした男女混合の試合も仕方がないのだろうが、近年身障者の女性ゴルファーが十分に増え、女性だけの試合が可能になったということなのだろう。今後はさらに、男女別だけでなく障害の種類ごとの試合も開催されていくことになるかもしれない。ゴルフは老若男女、すべての人が楽しめるスポーツ。これもゴルフならではの進化発展ということかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月25日号「バックナイン」より