大本 研太郎
おおもと けんたろう。1974年生まれ。宮城県出身。
ショートゲームを中心に、スウィング理論からメンタル、フィジカルまで教える理論派コーチ。現在、東浩子、藤田さいき、臼井麗香、永嶋花音などを指導中。
GPC恵比寿を主宰。
ユージ
1987年生まれ。アメリカ・フロリダ州出身。 2004年からモデルとして活動を開始し、現在はモデル、タレント、俳優として幅広く活躍中。
芸能界一飛ばす男として有名だが、スコアだって尊敬されたい…!
思考や目線がストロークを邪魔する
大本 パッティングで大切なのは、読み、狙い、距離感、方向の4つです。
ユージ この4つが合えば、入る確率が上がるんですね。
大本 「読み」はグリーンの傾斜やスピードを把握するパートで、現実の世界です。対して、「狙い」「距離感」「方向」は、実際にボールを打つときに必要な要素で、イメージの世界で打ってほしいんです。
ユージ 現実の世界とイメージの世界!いきなり300ヤード級の飛ばしですね。
大本 球を打つときは、正しく打つとか、ターゲットに打つとか、ラインを考えるとか、そういったことはストロークを邪魔してしまうんです。たとえば階段を下りるとき、階段を見ませんよね。あれは、階段を見ないから体がスムーズに動いているわけで、階段を見たとたんにスムーズに動けなくなります。
ユージ 確かにそうですね。
大本 パッティングも同じで、見た方向に打とうとしたり、打ち方を考えた瞬間に、いいストロークができなくなってしまうんです。感じたままに打つ。これがパフォーマンスを上げる唯一の方法なんです。
POINT 現実の世界でラインを読み、イメージの世界で打つ
パッティングで大切なのは、読み、狙い、距離感、方向の4つ。傾斜やグリーンのスピードの「読み」は思考を伴う現実の世界だが、実際に構えて打つ「狙い」「距離感」「方向」の段階では、何も思わず感じたままにイメージの世界で打てるかが重要だという。
イメージの世界へスイッチを入れる
大本 読みという現実の世界から、実際に打つイメージの世界に移行するには、切り換えスイッチが必要なんですよ。
ユージ スイッチですか! ますます話がおもしろくなってきました。
大本 スイッチは、ボールの後ろからラインを眺めると見えてきます。
ユージ どこを見ればいいんでしょうか?
大本 たとえば上りのフックなら、右手にパターを持って、ボールから5歩離れたラインの真後ろに立ちます。カップとボールを含めた全体的な景色をぼんやりと眺めて集中するんです。
ユージ 集中する……。
大本 そうです。ぼんやりとです。どこかを凝視する必要もありません。こうすることで、距離や方向やラインを感じることができます。見ているようで、見ていない。
ユージ 距離や方向は?
大本 考えちゃダメです。景色をイメージ化できれば、体が自然に反応してくれます。ちゃんとその方向に構えて、その距離で打てるようになってきます。パッティングが上手いプロは、この方法で自分のベストパフォーマンスを引き出しているんですよ。
ユージ 無の境地! 見るんじゃなくて感じるんですね。
これが正解のステップ
STEP 1
ボールの後ろからラインを読んで
STEP 2
カップの向こうからも傾斜を確認
STEP 3
ボールの5歩後方で正対して素振りする
STEP 4
ぼんやりと景色を眺めてイメージの世界に入る
STEP 5
映像化した景色が消えないように移動
STEP 6
1度だけチラ見してターゲットを確認
STEP 7
アドレスしたら間髪を入れず始動
POINT ボール後方からの景色を映像化する
「もっとも大切なのはステップ4です。右手にパターを持って、ボールから5歩離れた位置に立ちます。『読み』で得た情報をぼんやりとした景色として頭の中に映像化します。ここがイメージの世界への入り口です。あとはそのイメージが消える前に打つだけです」(大本)
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大本コーチによるレッスンの続きは2024年6月25日号の「週刊ゴルフダイジェスト」とMyゴルフダイジェストにて掲載中!
※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月25日号「カップを消せたらなぜか入る! 摩訶不思議なパッティング教室」より一部抜粋