2024年6月現在、世界ランク1位の座に就くスコッテイ・シェフラー。そんなシェフラーのスウィングの特徴である「右足を引く動作」は「『前傾角が浅くなる』『クラブが上から入る』というアマチュアの2大エラーを一気に解消できます」という横田英治プロ。シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

シェフラーの特徴「引き足」のメリットとは?

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。今、男子で強烈に強いゴルファーといえばスコッティ・シェフラーですよね。今日もトラベラー選手権に勝ちましたし、ずっと世界ランク1位を爆走中です。そんなシェフラーといえば、やはり右足が後ろに下がる個性的なフットワークです。なぜああなるんだろう? と思いますよね。でも月刊ゴルフダイジェスト8月号に「スコッティ・シェフラー 実は! 僕らの最高のお手本だった!」という記事がありました。あの動きのどこがお手本なのでしょうか? 気になるのでやってみることにしました。

画像: 月刊ゴルフダイジェスト2024/8号で特集されていた、真似したいスコッティ・シェフラーの動作「引き足」を実践!

月刊ゴルフダイジェスト2024/8号で特集されていた、真似したいスコッティ・シェフラーの動作「引き足」を実践!

この記事で指導をしてくれている横田英治プロによると、アマチュアの2大エラーと言われる「前傾角が浅くなる」のと「クラブが上から入る」ということが、シェフラーのような「引き足」で一気に解消するということなんです。「引き足」といえば、ボーリングのフォームを思い出すのですが、投げた後に上体は右に傾きながらも、右足を後ろに引くことでバランスを取っているわけです。シェフラーも同じで、右足を引くことで前傾角がキープされているということなんですね。前傾角がキープされれば、クラブの軌道も良くなるので、インパクト効率が上がるということのようです。

横田プロの教え子である吉野茜プロは、もともとダウンスウィングで右ひざが前に出て前傾角が浅くなるクセがあったらしく、そのことでクラブが下りるスペースがなくなり、クラブが外から下りてしまうということに悩んでいたそうです。そこで「引き足」を試したところ、途端に右ひざが前に出なくなり、クラブの軌道と入射角が良くなってインパクトが長くなり、飛距離が20ヤードくらい伸びたそうなんです。これは凄いですよね。

吉野プロが「引き足」をやって変わったことが3つあるらしく、1つ目は右足を引くことで必然的に左足に体重が乗るようになったこと。これで体重移動が適切になり、パワーロスが少なくなったそうです。

2つ目はクラブがインサイドから入るようになったこと。右ひざが前に出なくなったことで、インサイドからクラブが下りるようになり球がつかまるようになったそうです。

そして3つ目が前傾角を保ったままフィニッシュできるようになったこと。引き足がバランスを取るので、フィニッシュまで前傾角が保てるようになり、思い切り振り切れるようになったそうです。

「引き足」をするだけでこんなにいいことが起こるのなら、これはやらない手はないですよね。

画像: (左)体重がしっかりと左に乗る(中)クラブがインサイドから入る(右)前傾を保ったままフィニッシュができる

(左)体重がしっかりと左に乗る(中)クラブがインサイドから入る(右)前傾を保ったままフィニッシュができる

横田プロは吉野プロが感じたメリット以外にもアマチュアにとってはもっと大きなメリットがあると言っています。それが下半身に意識がいくこと。多くのアマチュアは手元にばかり意識がいって下半身が使えていないそうなので、引き足を使って下半身が動くようになれば、反対に上半身の無駄な動きが抑えられ、軸が生まれるということなんです。

画像: 下半身が動くようになれば、反対に上半身の動きに無駄がなくなり、軸が生まれる

下半身が動くようになれば、反対に上半身の動きに無駄がなくなり、軸が生まれる

「引き足」が身に付く3つの練習ドリル

「引き足」ができるようになるというドリルが載っていたのでやってみました。まず引き足をやる前に、右ひざが前に出る動きをなくすドリルがいいそうで、そのためにSWのヘッドを下向きにして右足にひっかけスウィングをします。このときに右ひざが前に出てしまうとヘッドが落ちてしまうわけです。やってみましたが、たしかに右ひざが前に出るとヘッドが落ちますね。僕はそこまで右ひざが前に出るタイプではないのですが、注意しないと落ちちゃいました。

画像: 右足にSWのヘッドを引っ掛けてスウィングする。ひざが前に出るとヘッドが落ちてしまう

右足にSWのヘッドを引っ掛けてスウィングする。ひざが前に出るとヘッドが落ちてしまう

2つ目のドリルは10センチくらいの幅で細長い板を用意して、その上に乗ってスウィングするというもの。記事の中では専用の板状の練習器具を使っていましたが、僕はとりあえずダンボールで作りました。その上に乗って、スウィングをするのですが、右足の重心が少しでも前にいくとバランスが崩れます。右足の重心を少し後ろに乗せるのがコツのようです。

画像: 10センチ幅ほどの板(僕はダンボールで自作)にのってスウィングする。右足の重心が前に行くとバランスが崩れる

10センチ幅ほどの板(僕はダンボールで自作)にのってスウィングする。右足の重心が前に行くとバランスが崩れる

3つ目は2つ目のドリルで使った板を立てて、右足つま先から左足かかとへ斜めに向けてセットしてボールを打ちます。この状態で普通にフィニッシュを取ると右足が板に当たり倒れてしまうので、右足を引かなければいけないということなんですね。

やってみましたが、最初は右足に意識が行き過ぎて上手く球が打てませんでした。だんだん慣れてくると、タイミングが分かってきて右足を引きながら打つ感覚が分かってきました。右足がうまく引けると、右足とクラブが引っ張り合うような感覚がでてきますね。これをやるときにはちゃんとフィニッシュまで振り切ることが大事だそうです。

画像: 右足つま先から左足かかとに向けて板を立てボールを打つ。右足が前に出ると板が倒れるので、右足を引くスウィングが意識できる

右足つま先から左足かかとに向けて板を立てボールを打つ。右足が前に出ると板が倒れるので、右足を引くスウィングが意識できる

そして最後が引き足と同時に頭を下げるという動き。引き足ができていると自然に頭は下るらしいので、友達にチェックしてもらったり、動画を撮ったりして確認するといいそうです。

これもやってみましたが、たしかに頭を下げるくらいの意識を持って右足を引くようにするとスムーズに足が引ける感じがしました。頭が上がらないということは前傾角がキープできているということなので、インパクトも安定してきます。3つ目のドリルをやるときにもこの動きを意識すると、スムーズに足が引けると思います。

画像: 引き足と同時に頭を下げる意識があると前傾角がキープできる。頭が上がってはダメ

引き足と同時に頭を下げる意識があると前傾角がキープできる。頭が上がってはダメ

今回シェフラーの「引き足」ができるようになるドリルを試しましたが、ただ単に右足を引けばいいということではなく、なんのために足を引くのか、そしてどういう効果があるのかをしっかりと意識しながらやると、かなり良いんじゃないかと思いました。コースで実際に球を打つときには右足を引かなくても、そのくらいの意識で打てるようになると、確実に弾道が変わってきそうな気がします。これはぜひ試してみてください!

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