グリーンはコースで一番デリケートな場所
ゴルフコースで一番デリケートな場所がパッティンググリーンです。デリケートであるがゆえにグリーン上では特別な作法が求められます。
最近、何度かグリーン上でモヤモヤする機会があったので、今回はグリーン上での作法について改めて考えていきたいと思います。
はじめに、今から40年ほど前、私がジュニア時代に指導されたグリーンでの作法についてご紹介したいと思います。
①とにかくグリーン表面にダメージを与えない。
ゴルフを始めた頃、厳しく指導されたのは、グリーン上での歩き方でした。走るのはもちろんNG。決して靴を引きずらないよう、しっかり腿を上げて、靴裏が地面に対して垂直に接するようにと言われました。
こう書くと「入場行進」のような足の運び方をイメージしてしまうかも知れませんが、そのおかげで、靴の裏がグリーン面にどうやって着地していけばよいのか、しっかり意識することが出来たのだと思います。
とにかくグリーン上では靴裏がルーズに着地しないように心がける。そうすることで、引っ掻き傷を作ってしまう可能性を減らせるということをキッチリ叩き込まれたのです。最近、悲しいほどの引っ掻き傷を見ることも多くなりました。グリーン上だけでも「しっかり足を上げて」歩いて頂きたいと思います。
②同伴プレーヤーのラインを踏まない、跨がない。
ジュニアの頃は、他人のラインを踏むのはもちろん、跨ぐのも厳禁でした。どんなに回り道をしても誰のラインも踏まず、跨がずに済むようにプレーする。
4人のプレーヤーがいたら、4人のボールの位置を確認し、各々のラインとその周辺には足を踏み入れないように、厳しく指導されました。
これはきっちりやろうとするとかなりの神経をつかいますし、あんまり厳格に守ろうとするとスロープレーになってしまいそうでもあります。
ここまで徹底していたのは、「他人のライン」は侵すべからざる神聖なもの。踏むのはもちろん、「跨ぐ」という行為も相手に対して失礼に当たる。という考え方が根本にあったのだと思います。
自分自身、今でもグリーン上で誰かのラインを踏みそうになって、固まってしまうこともあります。
それに付随して「お先パット」にも作法がありました。どんなに短いパットでもしっかりスタンスを取って、正しいストロークをする。他人のラインを跨いでスタンスを取ったり、片足立ちや片手でのストロークは厳禁でした。
こういうストロークをすると「行儀が悪い」と怒られました。
うーん。自分で書いていて「相手に対して失礼」とか「行儀が悪い」なんていうのは、「昭和の遺物」と言われてしまいそうですが、「他者に対する礼節」が元になって「作法」が形作られてきたのだと思います。
プレーヤー全員が最終到達点としてプレーするパッティンググリーン。グリーン表面のダメージを最小限に抑え、同伴プレーヤーやその日プレーしている全員が気持ち良くプレーするためにも、グリーン上での作法について考えてみて頂けたらと思います。