SWを重点的に練習しよう
100切り達成のためには、グリーンオンを狙える距離のアプローチはしっかりと1打で乗せたいところ。100切りのために必要なアプローチの練習として「ロフト角56度や58度の、いわゆるサンドウェッジ(SW)の練習を重点的に行うのがオススメです」と後藤は言う。
「120切りまでならアプローチは転がし一辺倒で全然良いと思いますが、100切りとなってくると、たとえば残り30~40ヤードのバンカー越えといった、上げて寄せなければいけないシチュエーションって絶対に出てくるんです。なのでロフトの寝ているSWを練習したいですね」(後藤、以下同)
もちろんロフトが寝れば寝るほどボールを当てる範囲が狭くなるので、ロフトが立っているウェッジのほうがより簡単だ。だからこそ「SWを重点的に練習してちゃんと打てるようになれば、ピッチングウェッジやアプローチウェッジといったロフトの立ったウェッジも打てるはずなんです。練習時間を十分に確保するのが難しいアマチュアの方こそ、SWを練習するのが効率的です」と言う。
SWの構え方・打ち方を教えてもらおう
「SWはロフトの立った番手より比較的難しいとはいえ、そこまで変わりません。ではなぜSWが難しイメージがあるかと言うと、バウンスがあってトップしそうだからだと思います。なのでまずはアドレスでバウンスを“なくす”んです」
後藤が教えてくれたSWのアドレスの作り方は、スタンスを1.5足ぶんぐらい開き、ボール位置は右足の前に、そして体の真ん中から少しだけ左くらいの間に手元が位置するように握る。これだけだ。
「この状態で構えるとリーディングエッジが接地し、バウンスが邪魔せずボールの下に入れやすくなります。加えて言うならば、重心が右に行かないように気を付けましょう。体重配分は左6:右4ぐらいのイメージです。多少左に偏るぶんには全然構わないですが、右に偏るのはNGです」
そのうえで、手首を使わずに構えたときの形をキープしたまま振ることが大切だという。
「トップが怖いからとリーディングエッジを接地すると、今度はチャックリが怖くなりますよね。しかし手首を使って下に落とすような動きが起きなければ、基本チャックリは起こりません。振り子の動きを徹底して、時計の文字盤で言うところの8時~4時、もしくは9時~3時ぐらいの振り幅で振りましょう。多少練習は必要ですが、ソールを滑らせながら打つような感覚が出てくると思いますよ」
SWで球を上げるアプローチが打ちたいのに、ハンドファーストでボールも右に置いて構えるの? という疑問を持つゴルファーもいるだろう。「実際にレッスンでも『球が上がらなくないですか?』ってよく言われるんですけど、この構え方で全然問題ないです。変にボールを上げようとしなくて大丈夫ですよ」とのこと。
「この構え方・打ち方でもしPWを打ったなら、低く出過ぎて越えられないかもしれませんが、SWであれば十分越えられます。少なくとも日本のゴルフ場であれば、ほとんどのホールのバンカー越えはこれでできると思っていいです。もちろん超特殊な状況……たとえばグリーンの横が崖みたいになっていて、落ちると10メートルくらい上に向かって30ヤードのアプローチを打たなければいけなくなるようなコースもごくまれにありますけどね。ただそういった超特殊な状況以外は、基本この構え方・打ち方で大丈夫ですよ」
しかも後藤の教えてくれたSWの構え方・打ち方の良いところは転がしにも応用できる点だ。
「転がしたいなら構え方はそのままでPWに持ち替えて、振り幅を7時5時くらいに狭めれば、15ヤードくらいのランニングアプローチになるんです。基本はSWで練習して、同じ構え方で番手と振り幅を変えれば応用がいくらでもできますよ」
協力/広尾ゴルフインパクト