狙うスペースの範囲をしっかり把握できるのが画期的
●『Approach Z30』の新機能
『Approach Z30』の特徴のひとつは、互換性のあるガーミンのゴルフGPSウォッチ『Approach S70』などと一緒に利用し、つなげることで、計測した距離をデバイス間でリアルタイムに共有できること。
レーザー距離計でピンまでの距離を測るとつないだGPSウォッチ画面上にレーザーで計測した正確な数字が表示され、見ることができる。
2つ目は、レーザー距離計のファインダー内にピン位置からフロントエッジとバックエッジが表示される。ピンまでの距離を測りながら、同じファインダー内でピンから手前の距離とピンから奥までの距離を同時に把握することができる。
3つ目は、ピンにレーザー距離計をあてると、距離計とつないだGPSウォッチなどの画面のピン位置が自動補正される。標準では中央にあるピンが手前または奥の正しいピン位置に移動するというものだ。
4つ目は、レーザー距離計単体でも高低差に対応するが、風や気象の考慮に対応するウォッチとつなげれば、レーザー距離計のファインダー内でも、様々な条件を計算した打つべき推奨距離を表示する。
これらが「Z30」に搭載された主な新機能だ。
●新機能にはどんな使い勝手の良さがある?
これらの機能がどれほどのものなのか、まだ"ピン"と来ないかもしれないが、レーザー距離計の"使い勝手"を杉澤さんに解説してもらった。
「Z30はガーミンのウォッチと連動して手前エッジとバッグエッジが出るのが画期的です。グリーンのどこのスペースに打ったらいいかを把握することが大事なわけですが、計測できる数字はフェアウェイセンターからだけではありません。右ラフから測ったときには手前エッジ、ピン、そしてバッグエッジ。左ラフからも手前エッジ、ピン、そしてバッグエッジと、実際、数字は変わります。この『Z30』ならどこから測ってもすごくリアルな数字を計測することができるんです。世界のトップ選手のキャディは右ラフから、左ラフから全部のフロントエッジ、バッグエッジの距離を計測して試合に臨みます。この数字がコース攻略には大事なんですが、『Z30』があれば打つ地点からいつでも計測できてしまうわけです」
ピン位置が中央のままなら、ほかのメーカーのGPSウォッチにはあるかもしれないが自動補正されたピン位置が表示され、計測した地点からもっとも近いフロントエッジともっとも遠いバッグエッジの距離を計測できるため、打っていいスペースを把握するために必要な数字を正確に得られるようになった。
●攻めたいスペースを把握できるのが画期的
「数値化と正確なピンポジションでスペースを把握することで、番手選びでもビトイーンクラブになったときにどうするか。軽く打つか、しっかり打つか、感覚的なもの以上に、明確な数字がわかることで、力んだり緩んだりするミスを減らすことができます」と杉澤さん。
また、ティーショットでもこの機能は有効だと杉澤さんはいう。
「ティーショットを打つときに、たとえば右ドッグレッグだったら、右サイドでは何ヤードでフェアウェイに打っていけるか、左サイドでは何ヤード突き抜けるか。この機能ならドッグレッグで見えないスペースを把握できるようになりました」
たとえば、ドッグレッグの見えている右サイドの"角"まで計測して、その先の見えないフェアウェイのスペースはGPSウォッチなどの俯瞰図を見比べることで、見えない先の安心感を得ることができる。