全米シニアオープン最終日は悪天候のため決着が月曜日に持ち越された。初日から首位を快走する藤田寛之は最終ラウンド8ホールを残し後続を3打リードしトップの座をキープ。同伴プレーヤーの歴代チャンピオン、スティーブ・ストリッカーが脱帽するほど完璧なゴルフに海外メディアも興味津々だ。

「球が飛ばないので悪天候になると不利だと思う」と語っていた藤田だがリンクスタイプのニューポートCCを襲った荒天にもめげず中断前の10番までに3バーディ、1ボギーで2つスコアを伸ばし通算16アンダーで単独首位。2位のリチャード・ブランド(英)に3打差をつけいよいよメジャー初戴冠の瞬間が近づいてきた。

画像: 全米シニアオープン最終日は悪天候のため、月曜日に決着が持ち越し。中断時点で藤田寛之はトータル16アンダー、2位に3打差をつけ首位に立っている(写真/Getty Images)

全米シニアオープン最終日は悪天候のため、月曜日に決着が持ち越し。中断時点で藤田寛之はトータル16アンダー、2位に3打差をつけ首位に立っている(写真/Getty Images)

これまでシニアの海外メジャーで一度も70を切ったことのない男が60台を連発する快進撃に海外メディアからは「経験が少ないのになぜこのコースで快調なプレーを続けられるかのか?」「ストリッカーとのラウンドはどうだったのか?」などといった質問が相次いだ。

レギュラーツアー時代から海外志向が強かった藤田は質問のたび「このステージに立てるだけで幸せ。ここにいる幸せを噛み締めながらプレーしています」と自らを俯瞰で見ているような答え。

40代で国内ツアー賞金王に輝き“中年の星”と呼ばれた彼はマスターズに招待されたことを何より喜んでいた。だがパッティングの名手をもってしてもオーガスタの高速グリーンは攻略できなかった。

しかし今週リンクスタイプのコースではスピンをかけてボールを止める必要はさほどない。「もしかしたらそれも有利に働いている要因かも」とコースとの相性の良さを口にした。

無名の日本人に3日目一緒にラウンドしたリチャード・グリーンは「彼のことはまったく知らないけれどとにかくミスをしなかった。こういうプレーを続けられたら追いつくのは難しい」と脱帽した。

藤田憧れの人で「一緒に回れるのは名誉」というストリッカーも「最初から最後まで1ショットのミスもなかった。彼は自分のプレーと感情を完璧にコントロールしている」と感心しきりだ。

記者会見ではドライバーのヘッドカバーまで話題になり「スポンサー(佐藤製薬)のマスコットキャラクター、さとちゃんという象です」と藤田が説明する場面まで。

「日本は大騒ぎでは? メールやラインは来ていますか?」の質問には「驚くくらい来ていません(苦笑)。応援してくれるのはキャディとマネージャーだけ。でも注目されないほうがプレーに集中できていいです」と彼らしい答え。

この調子ならメジャー制覇も夢ではない。ガンバレ、藤田!

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