小祝さくらは今年、複数回優勝とメジャー制覇を目標に掲げてきた。
5月のヤマハレディースオープン葛城で今年1勝目、通算10勝目を挙げたが、このときは雨により3日間の短縮競技になっていた。その後も、確実に優勝争いに加わり、アース・モンダミンカップ直前まで15試合で予選落ち2回、トップ10入り9回(うちトップ5入り6回!)という戦いぶり。全米女子オープンでも9位タイという成績だった。
“鉄人”とも評されるさくら。時差ぼけもあまり感じたことはない。しかし、月曜日はトレーニングを行うというルーティンを守りながら、休めるときはしっかり休んで、メリハリをつけているのだ。
そうして迎えたアース・モンダミンカップ。ちょうど、海外メジャー、全米女子プロ選手権と同じ週に行われており、「みんな行ってしまっているので、盛り上げられるように頑張りたいと思います」とも話をしていた。遅い梅雨入り後、天候がくるくる変わり変則スケジュールとなるなか、さくらは確実にスコアを伸ばしていく。
悪天候のため、4ラウンド目が月曜日に行われることが決まったときも、「自分たちは決められたところで頑張るので、3ラウンドで終わったほうがよかったという気持ちはないです。4ラウンドやったほうが実力も出たりしますし、4ラウンドできるのはうれしいです」。そして見事、今季2勝目、通算11勝目をゲット!
「複数回優勝を目標にしていたので、達成できたのはうれしいです。でも、ここからまた半分以上試合が続きますし、まだメジャー大会もありますので、しっかりと気を引き締めて、ショットの修正点を改善しながらまた頑張りたいです」。こうして本人も気付かないうちに、小祝さくらはまた、強くなる。この大会は、賞金総額が国内最高、優勝賞金も5400万円だ。
「年間のなかでも一番高い賞金の大会で優勝できてうれしいです。けっこう欲しいものをちょこちょこ買うタイプなので……私服なんかを買いたいです」と言いながら、生涯獲得賞金が7億円を突破したことを聞いても、「知らなかったです。7億円ってイメージが湧かないですし、お金がいくらあるというのはあまり考えませんから」
さくらは、無駄遣いはしない性格だ。今まで一番の買い物は、日々、買い物や練習に行くときに使う電動自転車かもしれない。買う私服も至ってシンプル。
メルセデスランキングも2位に上昇。「あまりそのへんは気にせずに、地道に頑張りたいなあと思っています」。シンプルに淡々と。だから、小祝さくらは今日も強い。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年7月16日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)