数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はテーラーメイドの「M6ドライバー」です。
高初速&低スピンで「キャリー&ラン」で飛距離が伸びる
カーボンクラウンがマット仕上げになって光の反射が抑えられ、シルバー部分とのコントラストもはっきりしたので、フェース向きがわかりやすく、とても構えやすいですね。(堀越)
打ってみると、前作のMシリーズよりも、明らかに初速性能がアップ。確実に5~10ヤードは飛んでいます。ロフト9度を試打しましたが、中弾道の低スピンで、ファーストバウンドが強く前に行くので、キャリーとランで飛距離が稼げます。(堀越)
M4の後継モデルですが、それに比べるとボールがつかまりやすくなり、やさしくなった印象。深重心で打ち出しも高く、芯も広がっています。トウ側にわざと芯を外して打ってみましたが、真っすぐ飛んで、飛距離も落ちません。
シャフトは50g台の「フブキ」が装着されていましたが、中元調子でしなり戻りがスムーズ。適度にボールのつかまりを助けてくれています。(堀越)
M4はちょっとシビアという印象でしたが、M6はハードルが下がっています。使える人の幅が広がり、進化というよりは、正当な変化を遂げたといえます。(堀越)
純正SシャフトはHS40m/sでも扱える
クラブ重さは標準的ですが、クラブ長さがやや長いので、クラブ慣性モーメントがやや大きくなっています。M4同様にヘッドは縦の長さが長く、かつ横幅も広いので、外観からも長い重心距離と深い重心深度でヘッドの慣性モーメントを大きくしようとしていることがわかります。(松尾)
オープンフェース設定で、かつライ角度がフラットなので、左につかまりすぎるイメージはまったくわきません。試打クラブは9度のフブキTM5 Sシャフトでしたが、かなり軟らかめの設定で、HS40m/sでも扱えそうです。
ネック軸回りMOIが大きい。引っかけに悩む人、強い弾道で飛ばしたい人に
ヘッドのネック軸回りの慣性モーメントが非常に大きいので基本的にヘッドの返りが遅く、普段、左へのつかまり過ぎのミスが多い人でもフック系弾道にはなりにくい。フェード系弾道で攻めるイメージが出ています。(松尾)
【総合評価】 飛距離性能 4.5/つかまり 3.5/上がりやすさ 4/ミス許容 4.5/操作性 3.5 ※5点満点
ヘッド体積/460cc
ロフト角/9度、10.5度
ライ角/58度
長さ/45.75㌅(フブキ TM5 2019)
シャフト/フブキ TM5 2019(S、SR、R)、
ツアーAD VR⊖6、スピーダー661 エボリューションⅤ、ディアマナ DF60(S)
総重量/299g(フブキ TM5 2019、S)
価格(税込)/7万7760円
※メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和
週刊GD2019年3月12日号より