数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と、試打のスペシャリスト・堀越良和プロが、最新クラブを打って、測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はテーラーメイドの「M5ドライバー」です。
初速はM3・M4よりもアップしている
ポンと構えたときの、上から見た顔つきは、兄弟モデルの「M6」と似ています。打ってみると、初速が出て、飛距離性能が高く、新技術『スピードインジェクション』の効果を感じました。(堀越)

「カーボンクラウンですが打音は想像より軽やかです」(堀越) また、ウェートによる重心位置の調整幅も広がっている
適度なつかまりやすさがいい
前シリーズの「M3」と比べると、ボールのつかまりやすさ、上がりやすさが少し抑えられ、「M3」「M4」どちらのユーザーも、違和感なくスイッチできるでしょう。
また、さらに進化したツイストフェースで寛容性がさらにアップ。芯が広く、打点が外れても飛距離が大きく落ちることはありません。特に、トウヒットに強く、意図的にトウ側で打っても当たり負けしない。どちらかといえば、フェードよりも、ドローヒッター向きです。(堀越)

ソールの『リバースTトラック・システム』は調整の幅が広がり、使い手の持ち球の質をより高めて、安定性をもたらしてくれます。また、純正シャフト「クロカゲTM5」は素直で挙動にクセがなく、コースで結果を出しやすいシャフトです。

クセのない素直な挙動が特徴
アスリートが安心して叩けて、飛距離も出るし、コントロールもしやすい。Mシリーズの集大成ともいえる、完成度のすこぶる高いドライバーです。(堀越)
左への怖さをまったく感じさせない
クラブ重さがやや重く、クラブ長さもやや長く、さらにスウィングウェートも大きいので、クラブ慣性モーメントが大きくなっています。(松尾)
M6と同じようなヘッド形状ですが、時計でいう1時~2時方向の張り出しが「M6」よりも少し小さいです。「M6」よりもオープンフェース設定で、ライ角度がフラットなので、アドレスで左につかまりすぎるイメージは全くありません。
ロフト角9度、「クロカゲ TM5」のSシャフトを試打しましたが、シャフトは軟らかめの設定なので、HS42m/sくらいの方でも十分扱えそうです。(松尾)

左のミスを嫌うゴルファーにいい
ヘッドのネック軸回りの慣性モーメントが大きく、ヘッドの返りが遅いですが、「M6」よりはインテンショナルに操作しやすくなっています。ウェート位置でヘッドの重心位置を調整できるので、色々試してみるべきです。(松尾)

【総合評価】 飛距離性能 4.5/つかまり 3/上がりやすさ 3.5/ミス許容 3/操作性 4 ※5点満点
ヘッド体積/460cc
ロフト角/9度、10.5度
ライ角/58度
長さ/45.75㌅(クロカゲ TM52019)
シャフト/クロカゲTM5 2019(S、SR)、
ツアーAD VR-6(S)、
スピーダー 661 エボリューションⅤ(S)、
ディアマナ DF60(S)
総重量/約308g(クロカゲ TM52019、S)
価格(税込)/8万4240円
※メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和
週刊GD2019年3月26日号より