先週までのドライビングディスタンスは286.42Yで昨年の飛距離は278.78Yから平均で8ヤードほど伸びた。だが手応えは20Yほど伸びているという。「一緒に回る選手からも昨年より飛ぶようになったと驚かれるほどです」。
今大会のディスタンスも予選落ちした昨年から11ヤードも伸びている。
その飛距離アップについて前田が確信を持って語った。
昨年末、今年から契約したベテランキャディの岡本史郎さんから「もっと飛距離を伸ばしたらいい」と言われ、「スタッツを見たら”ドライビングディスタンス”と”パーオン率”の低さが顕著だったんです」
そこで一念発起、人生初めて“筋トレ”を行うことを決意した。
「ゼロです。いままで一度もトレーニングをしたことがありませんでした」
大学のゴルフ部でトレーニングをする機会はあったが、”ちょっとやっただけのもの“。
そこで、埼玉のパーソナルトレーナーのメニューに取り組み始めた。
「初めてトレーニングをした翌日はベッドから起き上がることができず、腰を上げることも難しかったほどです。3日間筋肉痛でたいへんでした」
オフのトレーニングの成果は徐々に出始めた。
6月のハナ銀行インビテーショナルで3位、そして今大会2位。
さらに今週から新しい武器が加わった。
タイトリストの「TSR3」から未発売の「GT3」を手にしたのだ。
「昨年とコースの景色がまったく違います。池越えとか今まで狙わなかったホールでも打ったらいいところにある。セカンドの番手が短くなるので、攻めやすくなりました」
昨年オフに掲げた「ドライビングディスタンスとパーオン率アップ」は飛距離が伸びたことで必然的に短い番手で打てるため精度が上がるというわけだ。
さらに、筋トレの成果は、ラウンド中の持久力アップにもつながっている。
「体が疲れなくなり、スウィングの安定感が増しました」
筋トレゼロ人間が週2でトレーニングに励むようになった前田は3週間後の「横浜ミナトCHAMPIONSHIP」(8月8~11日)まで、筋トレに励むという。
「今ではトレーニングをやっていないと気持ち悪いので……」
パワーアップしてニュードライバーという武器まで手にした前田は、後半戦の台風の目になるかもしれない。