トッププロたちが優勝を目指し競い合うツアー競技はシーズン中ほぼ毎週開催されている。とくに今の時期はオリンピック女子ゴルフの真っ最中で、中継で観戦しているというゴルファーも多いだろう。
プロたちの試合はもちろんプレーのレベルも高いが、100切りを目指すゴルファーでも参考にできるポイントはあるのだろうか。後藤は「わかりにくいけれども見るべきところで言うならば、グリーン周りのプレーは注目したいですね」という。
「プロって、グリーン周りでのプレーの“引き出し”が多いんです。例えば、ピン位置が手前側に寄った砲台グリーンで、ボール位置はグリーンまで5ヤードの花道にあるとしましょう。『少し距離があって砲台だから上げて寄せるのかな』みたいな状況でも、パターで強く転がして無理やりエッジを越えを狙って寄せたりするんです」(後藤、以下同)
パターのアプローチでいえば、2024年の「全米オープン」ではトニー・フィナウがグリーンまで距離のあるウェイストエリアからパターでの寄せを披露。2020年の「メモリアル・トーナメント」ではフィル・ミケルソンがピンまで残り78ヤード地点からの寄せにパターを選択したことも話題となった。
これはあくまでも一例で、ボールの位置やグリーン周りの状況によってプロたちの選択は変化していく。グリーン周りでもウェッジではなくユーティリティやアイアンを使って転がしたり、エッジギリギリのところからでも浮かせて寄せたり……。状況に応じて柔軟な選択を取る場合がある。とくにグリーン周りではそれが起こりやすいわけだ。
「『この距離だから、この番手』じゃなくて柔軟に選択する。そういったプロたちの想像力の豊かさを参考にしてほしいんです」と後藤は続ける。
「やる・やらないは別にして『こういう方法もあるんだ』って参考にして、頭の片隅に入れておくだけでもいいんです。プレー中に『そういえば』と思い出してたまに役立つ場面もありますよ」
そしてグリーン周りのプレーに限らず、番手選択やショットの意図は、中継であれば多くの場合、解説者が選手の意図をくみ取って説明してくれる。スコアや、プロたちのスウィングのダイナミックさを見るだけでも十分面白いが「そういった解説を聞いて意図を咀嚼すると、マネジメントの考え方も仕入れることができます」と後藤。
逆に、プロたちのスウィングに関しては「男子はパワーが違いますし、飛距離面ではアマチュアの男性と近い女子でも、体力や筋力、柔軟性はもちろん違いますから、変に憧れてマネするとスウィングがおかしくなってしまうことのほうが多いですね。ショット前のルーティンは参考にできますが、あまり映る場面ではないですし」とのことだ。
協力/広尾ゴルフインパクト