モデルによっては、ターフは取らないほうがいい場合もある
アイアンでショットを打つ際のアドバイスとしてよく言われるのが「ターフを取るように打て」という文言。レッスン記事や動画などで目にしたことのあるゴルファーも多いかと思うが「現在だと『ターフを取る』意識はそんなに持つ必要はないんです」と後藤。
「たしかに昔のアイアンスウィングのセオリーとして、ダウンブローでボールの先のターフを取るように打つことが多かったです。しかし今ってクラブ自体が進化してよりやさしくなったことでフェースの芯の位置も変わってきていますから、お使いのモデルによっては昔のセオリー通りに打つとむしろ芯を外してしまう場合があるんです」(後藤、以下同)
昔のアイアンであれば、スコアラインを下から数えて5本目くらいの位置が芯の位置だったのに対し、比較的新しめの低重心化がなされたモデルでは、おおよそ3本目辺りまで芯の位置が下がっているという。
「ターフを取るように打つと、地面にクラブが潜っていくわけじゃないですか。昔のモデルだと芯の位置が最新のモデルより高い位置にあったため、ボールを芯でとらえるためにターフを取って潜らせていかなきゃいけなかったんです。けれども最新のアイアンは低重心化によって、どちらかと言えば払い打っていくように作られているので、ターフを取るように打つとむしろ芯より上で当たってしまうんです」
もちろんこれは使用するモデルによって変わる話。たとえばプロが使っているようなクラシカルなマッスルバックなどといった、難易度が高めのモデルを使うのであれば、ターフを取るように打つ必要がある。
ただ近年のアイアンの売れ筋を見ても、世のアマチュアたちは低重心でやさしいモデルが人気を集めている。そういったモデルでは「『ターフは取ろう、ダウンブローで打とう』という意識を持つ必要はありません」とのことだ。
「実際2~3年前まではレッスンしていても『ターフを取りたいんですよね』という方がめちゃくちゃいましたが、現在は僕の体感だとだいぶ減ってきている印象です。『アイアンはダウンブローで、ターフを取るように打つ』というイメージって根強いですが、みなさんもちゃんと自分が使うモデルにあった打ち方を選んでください」
協力/広尾ゴルフインパクト