タイガー、松山英樹が長く愛用し、世界中のゴルファーから憧れられるパターブランドの魅力を追いかけるシリーズ。第39回はニューポート、009のモデルとも言えるパターを紹介。
叶うことのなかったオーガスタの勝利
写真は、アーニー・エルスのために作られた、クラシックⅠ オーガスタウィナーである。
クラシックⅠは、初期のスコッティキャメロンを代表するモデルで、現在のニューポート、009の原型とも言えるパターである。
クラシックⅠ オーガスタウィナー for Ernie Els
貫通タイプのビーチが入ったクラシック Ⅰ。ビーチの入ったオーガスタウィナーは、世界に2本しかないと言われている。写 真の影を見ると、ビーチが貫通していることがわかる。およそ200本のコレクションの中でも「最高の一本」という、オーナー自慢のパターだ。
1993年、クラシックⅠを使ったベルンハルト・ランガーがマスターズを制する。その勝利を記念して作られたのが、クラシックⅠ オーガスタウィナーだ。
エルスのオーガスタウィナーは、フランジまで貫通したビーチ(スリット)と、通常のクラシックⅠよりも丸みのあるネックが特徴の一本である。当時、クラシックⅠを試用したプロたちの中には、角張ったネックよりも、丸みのあるネックを望む選手が少なからずいたというが、エルスもそのうちのひとりであったか。
世界ランク1位に輝き、メジャー4勝を挙げたエルスも、マスターズに勝つことはなかった(最高2位)。そんな彼の心の内を知ることはできないが、最もウィナーと呼ばれたい試合のひとつであったことは間違いないだろう。
PHOTO/Takanori Miki
THANKS/スコッティキャメロンゴルフギャラリージャパン
※週刊ゴルフダイジェスト2024年8月20・27日合併号「キャメロンマニア宣言」より